医療、経済対策に490億 群馬県が9月補正予算案 独自の「ワクチンパス」も
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 山本一太知事は13日、490億8654万円を増額する本年度一般会計9月補正予算案を発表した。新型コロナウイルス感染症対策として、さらなる病床確保をはじめとした医療提供体制強化などに重点配分した。ワクチン接種進展に伴う10月以降の経済活動再開を視野に、2回接種を終えた人らを対象とする宿泊支援事業「愛郷ぐんまプロジェクト」第3弾の事業費なども確保した。各対策の実施時期をまとめたロードマップを作成、接種を証明する県独自のワクチンパス(仮称)を創設して取り組みを進める考えも示した。

◎来月中旬にも「愛郷」

 医療提供体制の強化は8月下旬、感染力が強いとされるデルタ株の拡大などで県の想定を超える1日300人規模の新規感染者が相次いだことを踏まえ、病床数を80床増の552床とする目標を設定し、病床を確保した医療機関への補助として97億円7221万円を盛り込んだ。

 軽症者を受け入れるホテルなど宿泊療養施設は、現在より331室多い7ホテル8棟(1650室)の確保・運営などに向けて170億6429万円を計上した。新たな治療法の導入促進や自宅療養中の症状急変に備えた健康観察体制の増強なども進める。

 ロードマップは10月末までに医療提供体制の強化を進め、同月中旬ごろにも「愛郷ぐんま」「Go To イート」といった経済対策やワクチンパスの活用を始める内容。「愛郷」は宿泊支援に55万人分の事業費を確保。宿泊費6600円以上の場合に1人当たり5000円を割り引く。「イート」はプレミアム率を県独自に5%上乗せして30%とし、食事券1冊(1万3000円分)を1万円で販売する。利用や購入の際に県独自のワクチンパスなどで2回接種済みであることを示す形を検討している。

 9月補正の増額規模としては平成以降で最大。補正後の一般会計予算額は9092億3866億円となる。21日招集予定の県議会第3回定例会に提案する。山本知事は13日の会見で予算案を「第5派危機突破予算」と名付け、「まず緊急事態宣言の下で感染拡大をしっかり抑え込み、その上で社会活動の再開を見据え、県民に希望を感じてもらえるように取り組む」と強調した。(西山健太郎)

◎ワクチンパスはLINE活用検討

 ワクチン接種済みであることを証明する県独自の「ワクチンパス(仮称)」について、山本一太知事は13日の会見で、現在約51万人が登録し、接種予約などに活用しているLINE(ライン)の「県デジタル窓口」を使い、スマートフォン上に表示する形を検討していることを明らかにした。

 実現に向け、県民一人一人の接種情報を持つ市町村と調整を進めている。LINE未登録者らへの配慮を含め、接種券の右側部分にある「接種済証」や医療従事者ら向けの「接種記録書」など紙資料を併用する。

 既往歴などから接種できない人らについては、PCR検査による陰性証明などの活用を検討する。

 その上で「全国トップクラスのスピードで接種が進んでいる本県だからこそ、いち早く経済再生のための試みができる」と強調し、改めて県民にワクチン接種を呼び掛けた。(西山健太郎)

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