ガソリン165円 7年1カ月ぶり高値 群馬県内、個人消費や景気に懸念
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山間部のガソリンスタンドでは170円に迫る価格も表示されている=12日午後3時40分ごろ、長野原町大津

 経済産業省資源エネルギー庁は13日、群馬県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格(11日時点)が前週より1円80銭高い165円ちょうどだったと発表した。6週連続の値上がりで、2014年9月29日(165円)以来、7年1カ月ぶりの高値水準となった。新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言解除などを受けて県内経済が動きだす中、個人消費や企業活動への影響が懸念される。

 全国は2円10銭高い162円10銭で6週連続の値上がり。14年10月20日(163円90銭)以来、7年ぶりの高値水準となった。全47都道府県で値上がりした。上昇幅が最も大きかったのは岡山の3円70銭で、愛知の3円40銭、宮城の3円20銭が続いた。

 石油情報センターによると、新型コロナの感染者数の減少に伴う世界的な経済回復を背景に原油の需要が高まっていることに加え、8月に米国に上陸した大型ハリケーンの影響による供給懸念が重なったことなどから価格が上昇した。来週も値上がりを予想している。

 県内のハイオクは1円80銭高い176円20銭、軽油は1円40銭高い143円30銭、灯油の店頭価格は18リットル当たり18円高い1793円だった。
(井部友太)

◎通勤や観光の足に厳しく 企業経営にも影

 群馬県内のレギュラーガソリン価格は今年に入り、ほぼ右肩上がりを続けている。13日に発表された価格は165円と7年1カ月ぶりの高値水準となり、県民や企業などから懸念する声が上がった。

 日常生活や仕事などで車を使う人にとって、ガソリン価格の上昇は暮らしへの影響が大きい。マイカー通勤している前橋市の男性(43)は「少しでも安いガソリンスタンドを探すが、どこも驚くほど高い。ほぼ毎日車を使うので、この状況が長く続くのは厳しい」と話す。

 草津温泉(草津町)には全国からマイカーで観光客が訪れる。京都市から来た男性(72)は「びっくりするほど高い」と驚き、「どこかで給油して帰らなければならないんだけど」と困り顔だった。

 長野原町でガソリンスタンドを運営する男性(60)は、顧客から今後の価格の動向を尋ねられるようになったと話す。コロナ下で観光客による給油が減っているが、緊急事態宣言の解除などで需要の回復を見込んでいただけに、「価格の高騰が人の動きに影響しないといいのだが」と消費者の動向に気をもんだ。

 前橋市のタクシー会社では県独自の警戒度が3に引き下げられて以降、夜間を中心に客足が徐々に戻ってきた。担当者は「お客さんが増えてきた時期に、ガソリンが高くなるのは影響が大きい」と話した。路線バスなどを運行する渋川市の企業は「燃料代の高騰は経営面でマイナス」とした。

 洗剤やプラスチックハンガーなど物品の多くが石油に由来するクリーニング業にも影を落とす。県内外に28店舗を展開する桐生市の企業は、原油の高騰を受けて、取引先のハンガーメーカーから値上げの打診があった。担当者は「原油に依存しているといわれる業界。一度上がってしまえば値下がりすることはほぼないだろう」とため息を漏らした。
(まとめ 井部友太)

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