学校給食費への支援 少子化対策で広がる 財政面で温度差も
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群馬県内自治体の給食費自己負担額(月額)

 小中学校の給食費を無料化したり、一部補助したりする動きが群馬県内の市町村で広がってきた。保護者の経済的負担を減らし、少子化対策や子育て世帯の移住につなげる狙いだ。ただ、財政負担の大きさや、他の子育て支援策とのバランスから慎重意見も多く、支援の度合いは大きな差がある。

 給食費無料化は2010年度に南牧村が始めたのを皮切りに、少子化が進む山間地を中心に広がった。現在は9市町村が取り組む。

■条件付き
 18年度に無料化した東吾妻町は、これまで給食費として年間5000万~6000万円を保護者から徴収していたが、基金の運用や歳出の見直しで財源を確保した。

 12市では渋川、みどり両市が先行し、17年度に実現した。初年度、渋川市は事業費を約3億円、みどり市は約2億1900万円と試算した。

 第3子以降などの条件付き一部無料化は6市村ある。太田市は第2子半額、第3子以降無料、安中市は第3子以降と中学2、3年を無料化の対象にした。

 無料化した市町村を除き、自己負担額が最も安い玉村町は、給食費の4分の1を補助している。高山村や大泉町は2割を、吉岡町は1人当たり年1万0450円を補助し、保護者の負担軽減に努力している。

 だが、全面無料化のハードルは高い。文部科学省の調べでも、16年度に小中学校で全面無料化した自治体は全国で58にとどまった。

 第3子以降無料の前橋市は「検討はしているが、財政負担が大きくなかなか実現できない」と説明する。

■リサーチ必要
 全面無料化した自治体は年間予算(一般会計)の1%前後をかけている。負担の大きさに比較し、少子化対策としての即効性は見込めないとの声もある。18歳未満の子どもが3人以上いる場合、第2子以降を無料にしている富岡市は「効果を上げるには長い目で見ないといけない」と指摘する。

 一方、無料化して7年となる上野村は「給食費だけでなく福祉や医療を含めて子育てしやすい環境づくりに村全体で取り組んでいる。移住説明会でもアピールし、実際に移住者は増えた」と手応えを強調する。

 「他にも子育て支援策をしており、バランスもある」とする伊勢崎市のようにさまざまな少子化対策に取り組む中で、給食費無料化には慎重な自治体も多い。

 高崎健康福祉大の千葉千恵美教授(児童福祉)は、貧困家庭の支援策として無料化や補助を評価しながらも「予算の問題なので、どれくらい無料化が必要とされているのか、地域でリサーチが必要」と指摘する。

◎未納の回収が課題に…15年度末 累計4億円突破

 県教委によると、県内小中学校の給食費の累計未納額は2015年度末時点で4億3600万円となり、初めて4億円を突破した。各自治体は回収が課題になっている。

 多くの自治体が児童手当から給食費を天引きできる仕組みを導入し、弁護士に回収依頼したり、法的措置を取る例もある。

 対策の効果などから、16年度(単年度)未納額は15年度より1612万円少ない7610万円で、2年連続減少。未納者数は小中学校で各300人ほど減り、計約3300人だった。(春山未央)

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