《ニュース最前線》オーパ開業半年 熱帯びる高崎駅西口商戦
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駅西口前に広がる高崎市八島町の商業地。公示地価が県内最高額となった
オープン当日の「高崎オーパ」。多くの買い物客でにぎわった=2017年10月13日
ペデストリアンデッキの拡張で、回遊性の向上が期待されている

 約37万5000人の人口を抱える群馬県内最大都市・高崎。その中心部、JR高崎駅西口で大規模な再開発が進んでいる。シンボルは昨年10月に誕生した大型商業施設「高崎オーパ」だ。開業から半年がたち、県内外からの買い物客でにぎわう。近くの高崎高島屋や高崎モントレーも改装。駅前から伸びるペデストリアンデッキも開通した。各商業施設は時に連携し、時に役割分担し、相乗効果で商圏拡大を狙う。

◎相乗効果で活況 ライバル店連携 商店街にも波及

 東口も施設整備やタワーマンション建設が進む。全国の地方都市で人や施設の郊外流出が相次ぐ中、これらを駅前に集め、街の機能や価値を高める取り組みに期待が寄せられている。

 3月に発表された公示地価で、最も高かった商業地は西口の高崎市八島町だった。

 新たな商業施設の誕生で高崎駅前はどう変わっていくのか。周辺を歩き、さらなる飛躍に挑む商都の未来を追った。

■新ランドマーク
 あいにくの雨の中、3000人もの人が開店待ちの列をつくった。昨年10月13日。JR高崎駅西口に大型商業施設「高崎オーパ」が開業した。中には、前日の午後10時から並んだ客もいて、新たなランドマークへの期待がうかがえた。

 集客目標は年間800万人。イオンモール(千葉市)が2016年3月に子会社化したOPA(同市)が運営する。群馬初出店のテナントも多くそろえ、客層も年齢にこだわらず、幅広い世代の誘客を図っている。

 相乗効果を狙い、隣の高崎高島屋は店内を大規模改装。化粧品や婦人雑貨を強化した。駅構内の高崎モントレーも駅利用者を照準にした売り場づくりを実施した。3月には、駅とオーパや高島屋をつなぐペデストリアンデッキが延伸し、さらに回遊性が向上した。開業から半年。高崎駅西口は、にぎわい創出のシンボルになりつつある。

■入店3割増
 オーパ開業から1カ月がたった昨年11月。オーパ、高島屋、モントレーの3店は、全店舗で買い物した人が参加できる共同抽選会の実施を発表した。本来ならば集客を競い合うライバル店。合同企画を行うのは珍しい。だが、オーパの山岡浩館長は「店舗間でなく、今は地域間の戦い」と強調する。ニーズの隙間を埋め合い、駅前というエリア全体で買い物客の満足度を高めるために手を組んだ。

 高島屋は化粧品を中心に売り上げが伸び、入店客は3割増加した。より一層の集客に向け、品ぞろえの見直しを継続的に行っていく。モントレーもレストランフロアの改装や、エスカレーターの設置などで買い物客の利便性を向上させた。

 こうした各店舗の戦略は、国土交通省が3月に発表した県内の公示地価にも現れた。高崎駅西口前の八島町の商業地が県内最高額となり、前年比の上昇率は唯一、2桁の伸びだった。オーパ開業を契機に、にぎわいへの期待が地価に反映。高崎駅前の価値がさらに高まっていく可能性を感じさせる。

■「起爆の年」
 拡張整備が進むペデストリアンデッキは、オーパや高島屋といった商業施設と高崎駅を直接つなぎ、駅利用者らの利便性は格段に高まる。一方で、駅前の飲食店関係者の中には「上だけで買い物が完結してしまい、商店街まで足が伸びない」といった、冷ややかな声もある。

 駅周辺を訪れた人を少しでも呼び込もうと、地元の東二条通り商店街チームハナハナストリートは今月、加盟店舗をまとめたホームページ(HP)を開設した。飲食やアパレル、サービスなどに分けそれぞれの店の情報を発信している。

 ハナハナストリートの岡田恵子会長(59)は「昨年秋以降、歩く人が増えた」と実感する。オーパや高島屋は県外からの買い物客も多い。HPで個人商店の魅力を知ってもらい、商店街に足を運ぶきっかけにしてもらいたい考えだ。

 「10年後の高崎を見たときに、(開業した)2017年は『あれから変わった』という起爆の年になる」。山岡館長は力を込める。高崎を変える、変えなければいけないというそれぞれの思いが、結実に向けて動きだしている。

◎高崎芸術劇場やマンション建設 東口も再開発進む

 東も負けていない―。JR高崎駅周辺は西口だけでなく、東口でもマンション建設や施設整備をはじめとした再開発が進んでいる。

 高崎市は2019年度中の完成を目指し、音楽ホールなどを備えた「高崎芸術劇場」を整備している。西隣には、市と民間による再開発ビルも建設される予定。

 徒歩圏内にある高崎競馬場跡地には、県がコンベンション施設「Gメッセ群馬」を整備中。完成は19年度末となる。駐車場不足が懸念されることから、市は近くに拠点を持つ太陽誘電(東京都)と協力し、東口に新たに計2800台分の駐車場を確保する。

 タワーマンションの建設も進む。県内では県庁、高崎市役所に次ぐ高さとなり、ランドマークとしての役割も担う。

 芸術劇場やマンションには、延伸整備されるペデストリアンデッキが接続。西口の商業施設とも行き来できるようになり、駅を中心にしたまちづくりに期待が高まっている。

《記者の視点》さらなる成長 期待

 高崎駅が近づくと、昨年開館した高崎アリーナが見えてくる。東にはヤマダ電機のLABI1高崎、そして西には昨秋に開業した高崎オーパ。電車からのぞく地元の街は大きく変わった。

 中学、高校時代から高崎駅前でよく過ごした。大学進学で東京に出た2000年代初頭までは景色はあまり変わらなかったが、今は都会に降り立ったような感覚にもなる。

 駅前ではマンションの建設や施設整備が進む。高崎が活気を失わず、さらなる成長にも期待が持てるのは、民間や行政が絶えず努力を続けてきたからに他ならない。郊外型の商業施設が増え、郊外に住む人も増えた。それでも、駅前の活気は街の活性化と密接につながっていると感じる。

 高崎で生まれ育ち、高崎に住む者として地元が元気なのはうれしい。10年後、20年後にどんな街になっているのか。未来に思いをはせている。(報道部 堀口純)

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