廃線で自転車型トロッコ 吾妻渓谷観光に 20年春に東吾妻町
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昨秋行われた自転車型トロッコの試乗会
 

 国名勝の吾妻渓谷の観光地としての魅力を高めようと、東吾妻町は2020年春にも吾妻川沿いの旧JR吾妻線で自転車型トロッコの運行を始める。3.3キロの廃線に2コースを設け、美しい景観を時間をかけて楽しめるようにする。自転車型トロッコで廃線を走れる場所は関東にはなく、19年度に完成予定の八ツ場ダムの周遊観光の目玉になりそうだ。

◎3億投入 駐車場やWi-Fi整備も

 線路の付け替えで使用されなくなったJR吾妻線の廃線を活用する。2.5キロと0.8キロの2コースを設ける予定だ。電動アシスト付きの自転車を10台程度そろえるほか、利用者の安全確保のため線路沿いに転落防止用の柵を設け、渓谷内の約50カ所に看板や道しるべを設置する。

 観光客の増加を見据え、90台分の駐車場を新設するほか、道の駅あがつま峡や駐車場に無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」を整備することを検討する。吾妻渓谷活性化対策事業として、18、19年度で3億円程度を投じる。利用料金や利用時間など運営形態は今後詰める。

 渓谷周辺では14年に温浴施設を備えた道の駅あがつま峡が、昨年には渓谷の両岸をつなぐ人道橋「猿橋」が完成した。観光客はシニア層が中心だが、自転車型トロッコの導入で家族連れや若者の入り込みの増加が期待される。

 中沢恒喜町長は「今後は上信自動車道が開通しアクセス向上も見込まれる。吾妻渓谷周辺の魅力を高めることで町の観光を盛り上げたい」と話している。

 八ツ場ダムに自転車を乗せることができる、上流部と下流部を結ぶエレベーターが設置される予定であることから、ダム周辺でレンタルサイクルを実施することも長野原町と検討している。

 《吾妻渓谷》 八ツ場大橋(長野原町)からふれあい大橋(東吾妻町)までの長さ約3.5キロの渓谷。奇岩や懸崖、滝などの渓谷美を楽しめる。1935年に国の名勝に指定。新緑や紅葉の時季を中心に年間約1万5000人が訪れ、秋にはJR岩島駅からシャトルバスが運行される。八ツ場ダム完成後は一部が水没する。

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