外国人就労 現場が期待 受け入れ態勢に課題も 在留資格新設
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エダマメの選別作業をする中国人の技能実習生=伊勢崎市境上渕名の長沼農園

 少子高齢化に伴い労働力が不足する中、外国人の就労が急速に拡大しそうだ。政府は今月、人手不足が深刻な5分野(農業、建設、宿泊、介護、造船)を想定し、就労可能な在留資格の新設を盛り込んだ「骨太方針」を閣議決定。技能実習生の場合は最長10年にわたって日本で働けるようになる見通しだ。群馬県内の関係者は大きな方針転換を歓迎する一方、生活面の支援をはじめ受け入れ態勢の課題を指摘する声もある。

 ニラやエダマメなどを手掛ける長沼農園(伊勢崎市)は10年ほど前から、中国人の技能実習生を受け入れてきた。経営面積が増え、人手が足らなくなったのがきっかけ。現在は従業員13人のうち男性2人が実習生で、植え付けや収穫、選別といった作業を担う。

 現行制度の在留期間は最長5年で、同農園では2~3年で帰国するケースが多い。長沼芳憲社長(30)は「実習生は一生懸命働いてくれるが、一通りできるようになったころに帰国してしまうのが残念だった。本人の意思にもよるが、技術を習得して長く働いてもらえれば助かる」という。

 技能実習生以外は、業界ごとの技能試験や日本語能力試験で一定の水準が認められると最長5年滞在できる。伊香保温泉旅館協同組合が3月に夜間託児所を開設するなど業界を挙げて人材確保に取り組む宿泊業。県旅館ホテル生活衛生同業組合の新木敬司専務理事は「人手不足で各施設の稼働率が低くなっている」と指摘し、「今の制度だと外国人が働ける期間は1年程度と短く、働いてもらうのに壁がある。5年なら受け入れやすくなるのではないか」と歓迎する。

 群馬労働局によると、県内の外国人労働者(昨年10月末)は2万9319人、雇用事業所は3466カ所でいずれも過去最高を記録した。在留資格の新設は事実上、単純労働分野の門戸を開くもので、政府は早ければ今秋の臨時国会に入管難民法改正案を提出する。実現すれば受け入れの急拡大が予想され、言葉や生活習慣の指導、労働環境の改善といった対策の必要性が指摘されている。

 今春、日本語学校を開設した綜合プランニング(前橋市表町)の関誠副社長は「日本語教育は重要だが、受け入れる側の意識向上も欠かせない」とし、「経営者の中には外国人の雇用に抵抗がある人もいる。共存していく意識を持ち、日本人と同じような待遇を実現できるかが課題」と話している。

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