18年県内路線価 高崎駅西で12.1%増 関東信越で上げ幅最大
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最高路線価が26年ぶりに上昇に転じた草津町の湯畑周辺
 
 

 関東信越国税局は2日、相続税や贈与税の算定基準となる2018年1月1日時点の県内路線価を発表した。4844地点(住宅地、商業地、工業地)の標準宅地評価基準額の対前年変動率の平均はマイナス0.7%と26年連続で下落したものの、下落幅は最小だった。群馬県内最高だったのは高崎市八島町の市道高崎駅・連雀町線で1平方メートル当たり37万円。上昇率は12.1%で、同局管内6県(群馬、茨城、栃木、埼玉、新潟、長野)の63税務署の最高路線価の中で最大だった。

◎一方、桐生と富岡は下落

 県内9税務署管内の最高路線価で、高崎市のほかに上昇したのは太田市と草津町の2地点。横ばいは前橋、伊勢崎、沼田、藤岡各市の4地点で、桐生、富岡両市の2地点は下落した。

 高崎市八島町はJR高崎駅西口近くの商業地で、上昇は2年連続。昨年10月の「高崎オーパ」開業や、高崎高島屋、高崎モントレーの改装で、集客力が高まっている。ペデストリアンデッキの延長やマンション建設など駅周辺整備で土地の需要が伸びている。

 太田市飯田町の太田駅南口駅前広場は6.4%増の10万円。駅前や市街地の再開発で引き合いが増えている。同市に国内唯一の自動車生産拠点を持つSUBARU(スバル)を中心に関連産業の好業績も影響した。

 草津町草津の湯畑前は1.1%増の8万8000円で26年ぶりに上昇した。本白根山噴火の影響は反映されてなく、訪日外国人客を含む入り込み客数の増加が押し上げた。

 富岡市富岡の宮本町通りは2.3%減の4万3000円。前年は2.3%上昇したが、世界文化遺産の富岡製糸場の見学者数の低迷で下落に転じた。

 前橋市本町の本町通りは横ばいの13万円。都道府県庁所在地では前年と同じ45位。46位は秋田市(12万円)、47位は鳥取市(11万円)だった。

 県内で調査した統括鑑定評価員の津久井伸昭氏(太田市)は「人口減で中山間地域や郊外での土地需要の低迷が続く一方、都市部では市街地の再開発や景気回復で地価が上昇し、県全体の下げ幅縮小となった」と説明。日銀のマイナス金利政策や住宅ローン減税などにより利便性の高い住宅地は今後も需要が高まるとみている。

 路線価の詳細は各税務署などで閲覧できるほか、国税庁ホームページ(www.rosenka.nta.go.jp)でも公開されている。

◎訪日客効果で草津アップ 太田駅周辺も大幅上昇

 県内の税務署別最高路線価は、駅周辺の開発が軌道に乗る高崎市と太田市で大きく上昇し、訪日外国人の誘客で温泉街への入り込みが増えた草津町が26年ぶりに上昇に転じた。一方、富岡市は「世界遺産効果」が薄れて富岡製糸場の来場者数が減少し、前年の上昇から一転して下落した。

 「2年ほど前から外国人や若者が増え、国内外からの注目を感じる」。草津町草津の湯畑近くで土産店「草津温泉 湯の香本舗」を経営する本多将さん(45)は客層の変化を説明する。

 ただ、草津白根山の本白根山が噴火した1月23日以降は入り込み客数の苦戦が続く。中華料理店「龍燕」の大木宣尚店長(44)は「噴火前は年々、来客が増える感じだったが、今は風評や志賀草津道路の閉鎖などで苦しい」と話す。町内の地蔵地区の開発計画などに期待をかけているといい、「団結して風評を乗り越えたい」と力を込める。

 富岡市富岡の宮本町通りは、前年から一転して下落した。通り沿いで昨年夏に手工芸品店を開いた熊倉幸子さん(63)は、製糸場の入場者数の減少に「団体客が減っている」と感じている。

 富岡商工会議所によると、世界文化遺産の登録後、市街地の店舗家賃は2倍近くに急騰した。担当者は「家賃水準は異常だった。落ち着き、適正価格に戻りつつある」と受け止める。同会議所会館や市庁舎が今春に完成し、世界遺産センターの開設を来春に控え、「新施設をどう活用するかが鍵」と強調する。

 対前年の変動率が2桁増と大きく上昇した高崎市。不動産のおおの企画(同市あら町)の大野秀樹代表(60)によると、駅前マンションから都内へ通勤通学する「高崎都民」が増えている。「高崎に見向きもしなかった大手デベロッパーが土地を探している」とし、今後もマンション建設が進むと推測する。

 最高路線価が4年連続で上がった太田市は東武太田駅を核に再開発が進む。市美術館・図書館や駅前広場をはじめ、高層のテナントビルや分譲マンションが相次いで完成。来春開業予定の10階建てホテルの建設も進む。

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