運航委託 見直し検討 新入札、自主運航も選択肢 防災ヘリ後継
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取材に応じる東邦航空の宇田川社長(右)=県庁

 群馬県防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故を受け、県が防災ヘリの運航業務委託を抜本的に見直す方針であることが23日、分かった。15年以上にわたって東邦航空(東京)に委託しているが、2021年にも導入する後継機では委託先を新たに入札で決める方向で調整し、民間委託せずに「自主運航」に切り替えることも検討する。

◎更新は早くても21年5月

 搭乗者9人全員の死亡という事故の重大さや、実際と異なる飛行計画の通知や虚偽の報告といった同社社員の不手際を踏まえ、従来通りに同社との契約を更新するのは困難と判断した。県議会総務企画常任委員会の委員からも見直しを求める声が上がっていた。

 ある県幹部は上毛新聞の取材に対し、「東邦航空ありきでは進めない」と述べ、後継機の運航業務の委託先を指名競争入札かプロポーザル方式の入札で決める方向で調整すると説明。自主運航も選択肢の一つとしている。

 県は1997年の防災ヘリ導入以降、運航業務を民間企業に委託してきた。当初の委託先が事業撤退するのを受け、2002年に指名競争入札を行い、3社の中から東邦航空に決めた。同社は同年12月に業務を開始し、委託契約は毎年更新されてきた。

 総務省消防庁によると、消防防災ヘリを導入している都道府県や政令市の計55団体のうち、運航業務を委託しているのは群馬を含む34団体。長野、岐阜両県は自主運航と委託を併用し、残る19団体は自主運航している。

 県は後継機の運航開始は、早くても21年5月になるとみている。2人の操縦士が搭乗するダブルパイロット制の導入も検討する。

◎東邦航空社長 群馬県知事に謝罪

 県防災ヘリコプターの墜落事故で、運航業務を受託している東邦航空(東京)の宇田川雅之社長が23日、県庁で大沢正明知事と面会し、事故の発生とその後の対応について謝罪した。大沢知事は「9人を失ったことは痛恨の極み。関係機関への調査に協力していただきたい」と述べた。

 面会後、宇田川社長は報道陣に「自社でも事故調査を開始している。推定原因を絞り込み、その上で対策を立てていきたい」と話した。県への報告について「しばらくかかると思う。例えば半年とか、まとまり次第報告する」とした。

 県防災航空隊所属の同社の男性社員が国土交通省に「ヘリが戻った」と虚偽報告をした問題では、社員が「このまま放置しておくと(ヘリが)到着しないことで混乱が生じると思った」と話していると説明した。

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