変わるコンビニ勢力図 セーブオン 看板下ろし群馬も3強時代に
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店頭の焼きまんじゅう販売コーナー。名残惜しそうに買い求める常連客が絶えない=セーブオン吉岡上野田南店

 セーブオンの群馬県内の店舗が31日午前7時に看板を下ろし、35年の地場コンビニの灯が消える。本格的な人口減少を迎える中、コンビニが提供する「便利さ」は地域の活力維持に欠かせない生活基盤になりつつある。

◎オリジナル商品の引き継ぎ「推移見守るしかない」

 店内にみそだれの香りが漂った。今月中旬、コンビニエンスストア「セーブオン吉岡上野田南店」。店頭で調理する焼きまんじゅうを目当てに母親と共に訪れた榛東村の主婦(48)は「地元のコンビニでしょ。よく使うセーブオンがなくなるのは残念」と寂しげに注文し、焼きたてを受け取った。

 セーブオン(前橋市)は今月末、自社ブランドでの営業を終了する。県内に159店(7月末現在)ある店舗は一部の完全閉店を除き、改装を経て約1カ月後から順次、「ローソン」に変わる。同社はその後、ローソン(東京都)と2017年1月に結んだフランチャイズ(FC)契約に基づき、メガFCとしてローソン店舗の運営に当たる。

 セーブオンは地域色のある商品づくりに定評があった。県内5店で販売する焼きまんじゅう(1串150円)はその代表格。ただ、ローソンへの転換後は他のオリジナル商品も含め「扱いは協議中」(セーブオン)としており、常連客から惜しむ声が上がる。

 納入業者も不安を隠さない。セーブオンに「ぐんまちゃんヌードル」などを卸す大黒食品工業(玉村町)は転換後の出荷について、「推移を見守るしかない」としている。

 高崎市内のパスタ店が競うイベント「キングオブパスタ」では、最高位を勝ち取ったパスタを期間限定でセーブオンが商品化してきた。キングオブパスタ実行委員会の井上幸己事務局長は「継続をお願いして、ローソンの販売網で広がればうれしいが、どうなるか分からない」と困惑する。

 セーブオンは、スーパーのベイシア(前橋市)グループのコンビニとして1983年に渋川市行幸田で1号店を開いた。商品調達力を背景に低価格路線を進め、48円アイス、298円弁当、男性客に人気のボリューム感のあるメニューを並べ、エリアは最大10県、店舗数は2015年に605店へとそれぞれ広げた。

 一方、セブン―イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの大手3社は再編を含め、いち早く全国展開。電子マネーや共通ポイントの「Tポイント」「Ponta(ポンタ)」などの導入をはじめ、コーヒーマシンを設置したり、健康志向の食品やプライベートブランド商品を充実させたりして激しいサービス競争を繰り広げ、女性や高齢の客層を開拓した。

 規模拡大も進む。約2万店を展開するセブンは19年秋にも沖縄県に進出し“空白地”を解消する。ファミマはサークルKサンクスを傘下に置くユニーグループ・ホールディングスと経営統合。ローソンはスリーエフと資本業務提携をした。

 セーブオンが看板を下ろすことで、県内の業界勢力図は大きく変わる。県内店舗数(7月末現在)はセブンが462店と最多。2位セーブオンと、4位のローソン122店との統合で、3位のファミマ(サークルKサンクス含む)124店を大幅に上回る。

 他県で先行してローソンに切り替えた旧セーブオンの店舗では、知名度アップなどの効果で「店の売り上げは3割増えた」(セーブオン)という。群馬県にも3強コンビニ時代が到来し、顧客獲得競争はさらに激しさを増しそうだ。

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