みなかみ町議選告示 不支持派上回り町長失職の公算大

 群馬県みなかみ町の前田善成町長が自身のセクハラ問題を巡って町議会を解散したことに伴う町議選が4日告示され、定数18に対し29人が立候補を届け出た。反町長派は選挙後に不信任決議案を出す構えで、過半数の賛成で可決となり町長は失職する。上毛新聞の取材で、決議案に反対の立場の候補者は定数の半数に達しておらず、町長が失職する公算は大きい。

 4月の町議選の立候補者は20人だったが、町長派、反町長派が共に多数派形成を狙い、候補者が膨らんだ。29人の内訳は前職16人、元職3人、新人10人。党派別では無所属が27人、公明と共産が各1人。

 地方自治法によると、解散後初めて招集された議会で3分の2以上が出席し、その過半数の賛成で不信任決議案が再び可決されれば町長は失職する。

 不信任決議案への対応を候補者に尋ねたところ、21人が「賛成」、4人が「反対」、4人が「未定」と回答した。賛成とした人の多くは町政の停滞やセクハラ問題を理由に挙げた。反対、未定の計8人では、セクハラ問題への警察、司法の判断が出ていないことを理由にした人が目立った。

 今回の選挙にかかる費用は約1800万円。4月より候補者が多く、400万円ほど上回る見込みだ。

 期日前投票は5~8日、町役場など3カ所で受け付ける。3日現在の選挙人名簿登録者数は1万6787人(男8106人、女8681人)。

《町議選立候補者と前田町長の不信任に対する賛否(上毛新聞への回答)》(
(届け出順、○賛成、×反対、△未定)
高橋視朗(65)無所属・新人 ○
高橋久美子(56)公明・前職(2) ○
山田庄一(64)無所属・前職(4) ○
高橋三喜生(55)無所属・新人 △
戸田宣男(73)無所属・前職(5) ○
阿部清(57)無所属・新人 △
阿部賢一(54)無所属・前職(4) ○
吉沢幸男(61)無所属・前職(1) ○
松島純一(34)無所属・新人 △
中島信義(73)無所属・前職(3) ○
茂木法志(33)無所属・新人 ○
田村かつ子(53)無所属・前職(1) △
本多秀●(78)無所属・元職(3) ×
 ※●は「律」のぎょうにんべんがにんべん
小野章一(67)無所属・前職(5) ○
鈴木美香(48)無所属・新人 ○
石坂俊樹(55)無所属・新人 △
久保秀雄(65)無所属・前職(5) ○
星野宗央(42)共産・前職(1) ○
小林洋(53)無所属・前職(3) ○
牧田直己(30)無所属・新人 △
高橋市郎(61)無所属・元職(4) ○
桑原宏明(32)無所属・新人 ○
馬場春夫(71)無所属・元職(2) ○
窪田金嘉(76)無所属・新人 ○
鈴木章二(60)無所属・前職(1) ×
本多公保(67)無所属・前職(1) ○
鈴木初夫(65)無所属・前職(2) ○
森健治(57)無所属・前職(2) ○
石坂武(67)無所属・前職(2) ○

◎「迷惑」「税金の無駄」 異例の町議選 有権者の反応

 4日告示されたみなかみ町議選。4月の町議選からわずか5カ月で行われることになった異例の事態に、町民からは「税金の無駄遣い」「まっとうな町にしてくれる議員を」などと批判や町政の停滞からの脱却を願う声が上がった。

 前田善成町長が自身のセクハラ問題を巡って議会を解散したことに伴う選挙。解散には納得がいかないとする20代の女性は「町民は、何が原因で町議選になったかを理解した上で、まっとうな町にしてくれる議員を選ぶべきだ」と訴えた。

 「争点は町長の続投か辞職かで、本来あるべき形の町議選ではない」と話す男性(60)は、「セクハラ騒動は町長個人の問題。長引いてしまって迷惑だ」とうんざりした様子だった。男子高校生(18)は「不正義をしない候補に投票したい。セクハラ行為は町に必要ない」と切り捨てた。

 前田町長への批判も噴出した。50代の女性は「町長に自覚があれば、今回の町議選はなかったはず」と憤りをあらわにし、「良識ある有権者が多いことを願う」とした。自営業の女性(80)は「前田町長には辞めてほしいが、次は誰が町長になるか分からない」と、今後の展開が読めないことへの不安を口にした。一方、男子高校生(18)は「前田町長には続けてもらいたい」とした上で、「偉い人の言いなりにならない、自分の意見を持った候補を応援する」と力を込めた。

 町議選は、町長不信任への賛否が争点となっている。昨秋の町長選で前田氏に投票した40代の女性は「(投票先を)決めかねている。候補者は立場をはっきりしてもらいたい」と強調した。賛否を明らかにしていない候補もおり、60代の女性は「そういう態度が一番良くない」と困惑気味。投票に行かないと決めているというパート女性(63)は「あまりにも政治がいいかげん。選挙も税金の無駄遣いだ」とあきれ顔だった。

◎公約に「正常化」多数 みなかみ町議選 女性団体アンケート

 みなかみ町の前田善成町長が町議会を解散したことに伴う町議選で、町内の女性団体「こぶしの会」は4日夜、立候補予定者を対象に行ったアンケートの結果を、団体のフェイスブックで公開した。14人が争点と公約について回答し、多くが町政の正常化を訴えた。

 今回の町議選の最大の争点を尋ねる設問には、6人が「セクハラ問題」と答え、その他の候補も「セクハラ問題に起因する町政停滞の正常化」とする意見がほとんどだった。前田町長は町議会を解散した8月の会見で、前町長が推進した廃棄物固形燃料(RDF)を熱源として利用する実証実験計画の是非が争点だとしていたが、「RDF」と答えた候補はいなかった。

 公約を尋ねる設問では各候補が力を入れたい政策を答えたほか、回答者の3分の2を超える10人が「町政の正常化」を掲げた。

 同会の関係者は「協力いただいた候補に感謝する。無回答の候補からは、思いを聞くことができず残念」と話した。

 「こぶしの会」は、4月に起きた前田町長のセクハラ問題以降、町政に問題意識を持った女性有志10人ほどで結成。有権者に町議選の判断材料にしてもらおうとアンケートを企画。8月28日までに届け出関係書類の事前審査を受けた27人に送付し、4日に締め切った。

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