《ぐるっと点検ぐんま》夏秋ナス出荷量 全国一 生産者を支援
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◎資材の購入補助 新規就農受け皿

 群馬県は夏秋ナスの全国有数の産地だ。2017年の出荷量は平成になってから最多の1万5600トンで2年連続の全国1位だった。産地は県内の広範囲に広がり、県が資材購入費を補助したり、JAが大型選果場を整備したりと生産者への支援は手厚い。

 県はJAと連携して新規就農者などを対象に、露地ナスの管理技術を学ぶ研修会を開いており、参加者は枝葉の処理や害虫への対応などについて理解を深めている。

 梅雨明けが早かった今年は、天候の変化への対応力を磨く研修会を、就農2年未満の生産者を対象に実施。7月下旬に邑楽町の農家で整枝作業や水分量の調節などを学んだ。

 品質の良いナスを増やし、産地のブランド力を高めるため、県の担当者は「技術支援を手厚くしていきたい」と話している。

 2015年の農林業センサスによると、県内市町村で作付面積が最も広いのは伊勢崎市で62ヘクタール。前橋39ヘクタール、高崎26ヘクタール、みどり24ヘクタールと続き、9市町が10ヘクタールを超えた。露地栽培は6~11月、ハウスを利用した半促成栽培は3~7月に出荷される。

▽露地が中心
 露地栽培が中心の夏秋ナス(7~11月)の本県の出荷量は近年増加傾向で、12年に初めて全国1位になった。13~15年は茨城に次ぐ2位に後退したが16年に首位を奪還した。

 県は08年度、露地栽培に必要な支柱といった資材の購入費用の補助を始めた。45歳未満の新規就農者を年230人確保することを目標に、県内外で行われている就農相談会では初期投資が少ない露地ナス栽培から始めることを勧めている。蚕糸園芸課によると、45歳未満で非農家出身の新規就農者でナスの栽培を始めた人は約4割で、16年度は7割近かったという。

 5年前に就農した塩家任さん(33)=藤岡市=は「何から始めるか決めていなかったが、県のアドバイスでナスがやりやすいと感じた」と振り返る。約15アールの農地で露地栽培を始め、現在はハウスも加えた栽培面積は2倍に広がった。来年はハウスを増やすという。

▽負担軽減
 農家の負担軽減に向けた設備投資も盛んだ。JA佐波伊勢崎は昨年6月、「なす・きゅうり選果場」を本格稼働させた。出荷する農家の仕事だった選別や袋詰め、箱詰めといった作業を約150人の従業員が担っている。JA前橋市も同様の大型施設を5月に稼働させた。

 JA佐波伊勢崎園芸協議会長の牛久保容邦さん(58)は「収穫や管理に時間がかけられるようになった」と選果場の稼働を喜ぶ。栽培面積を3割増やしたほか、整枝作業に十分な時間を確保できるようになり、傷のないナスが増えるなど品質も向上した。

 県やJAの一体的な支援を背景にした生産者の増加や品質の向上で、本県はナス産地として揺るぎない地位を築きつつある。
(阿久津光正)

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