2度の不信任決議 みなかみ町長失職 町民「振り回された」
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不信任決議案の採決で、賛成して起立する議員を見る前田氏(中央)=18日午前11時50分ごろ
記者会見する前田氏

 群馬県みなかみ町の団体職員の女性が前田善成町長からセクハラを受けたとされる問題で、町議会は18日、不信任決議を受けた前田町長の解散に伴う町議選後、初めての議会を開いた。不信任決議案を全会一致で可決し、前田氏は地方自治法の規定により失職した。不信任決議は2度目。前田氏は記者会見を開き、町政運営に支障を来したことを謝罪し、次期町長選(10月23日告示、同28日投開票)に出馬しないと表明した。

◎セクハラ 最後まで否定 選挙費用議論はかみ合わず

 みなかみ町議会は18日、前田善成町長に対する不信任決議案を再度提出し、全会一致で可決した。町議や町民からは一連の問題が招いた町政停滞や、町長の議会解散で町議選になったことへの批判が噴出した。

 この日は9日の町議選後、初となる議会。不信任決議案の提出前には、町議選費用約1800万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算の専決処分報告が審議された。質疑では複数の町議が「大義なき解散による町議選であり、町民を無視した無駄な予算」「予算は町民の生活や福祉向上などに使われるべきだった」などと強い口調で町民の不満を代弁した。これに対し前田町長は「辞職か解散を迫られる中で、解散を選択した」と繰り返すなど、時折かみ合わない答弁を続けた。

 一方で、「町政への不信を招くなど、町民の期待を大きく裏切った」と指摘された際には、「責任は十分感じている」と反省も口にした。

 不信任決議案の採決では、前田町長は弁明に立ち「セクハラに当たる行為はなかった。町政の混乱を招いたことは理解しており、自ら職を辞することで責任を取らせてもらいたい」と訴えた。だが、町議2人が「町議会から全国へ良識と責任を示すことが町長による“人的災害”からの復興の第一歩」「町民の声より自身の保身を優先させ、町政への信用、信頼を大きく失墜させた」などと賛成討論した後、全会一致で不信任を突き付けた。

 傍聴席で見守った60代の男性は「町長は(5月に)辞職勧告が全会一致で可決された時に辞めていれば良かった。最後まで町民は振り回された」とこれまでの4カ月を振り返り、ため息をついた。70代の男性は「(前田氏を)選んだ町民も大いに反省すべきだ」とした上で、次期町長選に関し「町民は、町政を正常化できるふさわしい人を選んでほしい」とした。

 セクハラ問題を巡っては県警が強制わいせつの疑いで前田氏を立件する方針を固めている。20代の女性は「疑惑が出ること自体、町長としての資質に欠けていた。(セクハラを受けたとされる)女性が報われることを願っている」と話した。

◎町長選 考えはない…一問一答

 町議会で不信任決議案が可決され失職した前田善成氏は18日、町役場で記者会見を開き、町政に混乱を招いたことを謝罪した。主なやりとりは次の通り。

―辞職を申し出ていたが失職した。
 辞職というのは自分の決意。結果が失職ということになったが、10日に辞職願を出したときから18日が終わりの日と決めていた。

―不本意か。
 9日に(町議選の)結果が出た時点で町政を運営することはできないと思っていた。潔く身を引くことで、町民の期待に対しての責任を取らせてもらったつもりでいるので、不本意とか本意ということではない。

―わずか数カ月で1人の町長に3回、不信任決議案が提出されたことについて、恥ずかしいと思うか。
 そういうことは考えてない。

―一般論としてセクハラについてどういう認識をしているか。
 セクハラという問題があることは認識しているが、しっかりした深い認識は、皆さんの方がよく分かっていると思う。

―次期町長選は。
 一部報道にあるように、町長選を行う考えは私にはない。後援会に相談しているわけではないので、一度話をしたい。私自身は今回の町議選で結果が出たのでそれ以上のことをするつもりはない。

―今回の失職は、議会が何の責任を町長に求めた結果だと思うか。
 議会解散、町政の混乱だと思っている。町民の皆さんに期待していただいた中で町長を辞職することになり、おわび申し上げたい。

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