自転車安全 道半ば 前橋の女子高生死傷事故からきょうで1年
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県のモニター事業でヘルメットをかぶり登校する市立前橋高生徒

 前橋市の県道で自転車通学中の市立前橋高の女子生徒2人が死傷した事故は9日、発生から1年が経過した。群馬県が始めた高校生のヘルメット着用のモニター事業に同校も参加し、希望した生徒が着用して登下校しているが、普及は容易ではない。県は自転車の安全確保に向け、ヘルメットの必要性を意識付ける啓発と道路標示の整備などソフト・ハード両面の対策に本腰を入れる。

◎「周りの目 気になる」の声も

 8日朝、同校ではヘルメットをかぶり登校する生徒が見受けられた。モニターで生徒10人が登下校時にヘルメットを着用している。

 「昨年夏に事故に遭い、怖い思いをした」と語るのは3年の高岸駿さん。軽いけがで済んだものの、自らと同じ通学路で起きた1年前の事故は人ごととは思えないと振り返る。「ヘルメットをかぶっている生徒が少なくても安全を考えれば気にならない」とし、今では近距離でもかぶらないと気が気でないという。

 モニター参加校は高崎経済大附属高に次いで、市立前橋高が2校目。12月17日から1月末まで着用し、期間の前後で全校生徒と保護者にアンケートを取る。同校は自転車通学の生徒が85%を占め、上原功教頭は「着用で事故の被害は軽減できる。事業を機に普及につながってほしい」と話す。

 ただ、事業で着用した生徒からは「周りの目が気になる」「事業後もかぶるか分からない」といった声が上がる。こうした意見も踏まえ、県交通政策課は「命を守るものとして効果があるが、検討は丁寧に進めていく」としている。

 1年前の事故で大けがをした女子生徒の父親は「ヘルメットで守れる命があるなら、高校生にはぜひ着けてほしい」と受け止める。高齢者が事故の加害者だったため、高齢運転者やその家族には運転能力や危険性を自覚してほしいと求める。「若い人が命を失う事故は二度と起きてほしくない。大人は肝に銘じてほしい」と訴えた。

 今後、鍵を握るのが道路環境の整備や安全教育の充実だ。県は現在、新年度から10カ年の計画を取りまとめている。すでに県内で効果を確認しているという道路標示を施したり、自転車利用者には幼少期から安全な乗り方などを指導する方針。群馬県の中高生は事故に遭う確率が全国で最も高いとする調査もあり、総合的な対策が求められている。

 群馬県警前橋署や交通関係団体などは9日、事故が発生した朝の通勤・通学時間帯に合わせ、事故現場の周辺で事故防止を呼び掛ける。

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