豚コレラ 強まる水際対策 防疫方法など情報共有し警戒強化
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 愛知県豊田市の養豚場の豚が、豚やイノシシ特有の家畜伝染病「豚コレラ」に感染し、長野など5府県に感染が広がっている問題で、全国有数の畜産県である群馬県でも警戒が強まっている。豚肉を特産とする前橋市は緊急会議を開き、畜産関係者などと防疫対策の徹底を確認。感染した場合に損失が大きい養豚農家は危機感を募らせ、対策に当たっている。

 7日に開かれた前橋市の会議には市やJAの担当者らが集まり、市内の養豚農家から聞き取った対策を共有した。市農政課によると、入荷した豚を一時的に別棟で受け入れ、異常がないのを確認した上で同じ豚舎で飼うなどの取り組みが報告された。

 市は感染を防ぐため、農家に消毒液を配布する検討を始めた。市民に対しては不用意に豚舎などに近づかないようホームページや広報紙を通じて呼び掛けることにした。

 6日の県の会議では、愛知、岐阜両県で野生のイノシシの感染が確認されたことが明らかにされた。野生動物を介した感染の恐れもあるとして、畜産農家に養豚場への進入を徹底して防ぐよう注意喚起することが確認された。

 JA全農ぐんまなどによると、豚コレラウイルスは感染力が強く、致死率が高い。場合によっては大量の豚を廃棄処分することになり、養豚農家に大きな打撃を与える恐れがある。

 前橋市で100頭以上を飼育する養豚場を経営する法人代表の男性(56)は「感染が広域に拡大しており、危機感は強く持っている」と話す。この養豚場では年間を通して豚舎を消毒するなどして衛生面には気を配っているという。他県での感染について吉川貴盛農林水産相が「極めて重大な局面」と指摘する状況になり、「感染が見つかった県では、行政がワクチンを手配して感染の拡大を食い止めるべきだ」と注文をつける。

 渋川市と中之条町で計約2万頭を飼育する養豚場の男性経営者(65)は「感染すれば全頭処分する必要があり、感染が広がっている現状は怖い」と語る。これまでは種豚を年間5頭ほど仕入れてきたが、今後は控えるという。「今できる対策を徹底するが、絶対に感染しないとは言い切れない」と不安は尽きない。

 同JAは、豚コレラウイルスは人に感染することはないとした上で、「感染した豚の肉が市場に流通することはない」と説明。一般の人には冷静な対応を求めている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事