豚コレラ 疑いの1頭は遺伝子検査陰性 関係者 対応追われる
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消毒の順番待ちをする車両=20日午後3時半ごろ、県食肉卸売市場

 20日午前11時半ごろ、群馬県食肉卸売市場(玉村町上福島)内の食肉処理場で、家畜伝染病「豚コレラ」の疑いがある豚1頭が発見されたと、県食肉衛生検査所から県中部家畜保健衛生所に通報があった。県は遺伝子検査を行い、同日夜、陰性だったと発表した。食肉処理場は5時間にわたって封鎖され、予定された豚の搬入や競りが大幅に遅れるなどの影響があった。豚コレラは昨年9月に岐阜県で感染が確認されて以降、5府県に感染が広がっており、県は引き続きウイルスの侵入を防ぐための消毒や早期発見などを呼び掛けていく。

◎養殖母豚650頭と系列7000頭も異常なし

 畜産課によると、同検査所の職員が、北毛地域の養豚場から出荷された12頭のうち1頭に、足腰が立たないといった豚コレラを疑わせる症状と、内臓からの異常な出血を確認した。通報を受け、県は正午前に食肉処理場を封鎖。車両と人の出入りを封じ、予定されていた豚の食肉処理と競りを中断した。

 県は家畜衛生研究所(前橋市)で、豚の扁桃へんとうにウイルスが感染しているかを検査し、午後4時に陰性と確認。同8時半すぎには、遺伝子検査でも陰性を確認した。同じ養豚場から出荷された11頭にも異常はなく、飼育されている繁殖母豚650頭と、系列の養豚場の7000頭についても異常がないことを確認した。

 同市場では同日、豚の食肉処理を2500頭行う予定だった。県の検査で陰性が判明したことを受け、食肉処理は午後4時15分、競りは同6時半に再開。牛の食肉処理は予定した55頭分を行ったが、競りは中止されるなどの影響が出た。

 同課は「豚コレラの疑い事例であったため、速やかに厳格な対応を取った。今後も関係者に対し、消毒の徹底や早期発見などを周知していく」としている。

◎市場が封鎖 競りは5時間遅れで再開

 群馬県内で20日、豚コレラの疑いがある豚1頭が見つかり検査が行われたことを受け、県食肉卸売市場は一時封鎖された。出荷や買い付けに訪れた車や人が市場の内外で足止めされるなど、混乱した。

 市場は正午ごろから夕方まで出入りが禁じられた。入場を待っていた食肉加工会社の70代男性は「内臓は鮮度が大切。品質に影響しないといいが」と気をもんでいた。豚の搬入が再開されたのは午後5時半で、競りは約5時間遅れで始まった。

 業者に依頼して豚35頭を出荷した前橋市の養豚業、近藤スワインビジネスの近藤崇幸社長(40)は「封鎖は想定していなかった」と困惑した様子。市場は肉豚の1日当たり処理能力が3000頭と全国最大級で、「この市場が何日も止まったとしたら、別の市場に回そうとしても受け入れられる量ではない」と話した。

 検査で陰性と判明し、養豚家からは安堵あんどの声が上がった。桐生市で5000頭余りを飼育する養豚業の男性は「恐ろしい病気なので、陰性と聞いてほっとした」と胸をなで下ろしつつ、対策に気を引き締めていた。

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