踏査の結果 100キロが…127キロと判明 ぐんま県境稜線トレイル
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
美しい景色が続く稜線トレイルで、堂岩山から望む白砂山方面=2018年8月

 稜線りょうせんは長かった―。「100キロのロングトレイル」として昨年8月に開通したぐんま県境稜線トレイルの距離が、実際には127キロあることが日本山岳会群馬支部の全区間踏査で分かった。1万メートル近い累積標高差と60時間を超える所要時間などコースの全貌を知るデータも獲得。同支部は「簡単なコースではないが、挑戦するための参考にしてほしい」と話している。

◎“予想以上の難コース” 県「無理せず複数回に分けて」

 群馬県によると、稜線トレイルの距離は国土地理院のホームページ(HP)を利用し計算した。舗装路が続く毛無峠―渋峠間約14キロ(草津温泉・長野志賀高原エリア)を除いた純粋な稜線部分を100キロとしてアピールしてきた。

 群馬支部は、県から請け負ったコース上への案内板の取り付け作業を兼ね、昨年8月11日の開通を挟んだ7月14日~9月16日に6回に分けて5泊11日で実際に歩き、衛星利用測位システム(GPS)で距離を計測した。道迷いなど余分な距離は省いた。127キロには舗装区間が含まれているが、それを除いても県の公表値より10キロ以上長い。

 県も「実際の距離が分かったのはありがたいが、想定よりだいぶ長かった」(スポーツ振興課)と驚く。

 コースの全体像も判明した。累積標高差はエベレストの標高を超える9972メートルに及び、延べ62時間30分かかった。「天空の分水れいを歩く」のキャッチフレーズにたがわず、特に堂岩山―白砂山―上ノ倉山―稲包山の山域は素晴らしい景色の稜線が続いているという。

 一方で、天候の急変や急病などにより途中で下山する際の「エスケープルート」や水場が少ないこと、避難小屋のない区間、携帯電話の通じない区間が多く、入下山口間に公共交通機関がほとんどないといった課題が改めて浮き彫りに。メンバーは「予想以上の難コース」と口をそろえる。

 県は新年度、ムジナ平(中之条町)に避難小屋を建設するほか、地元の山岳関係者らに危険箇所を確認してもらったり、HPでコースの最新状況を発信したりして、登山者の安全確保に力を入れる方針だ。

 同課は「安全に歩けるよう取り組むので、無理せず、温泉などを楽しみながら複数回に分けて歩いてほしい」と話す。

 群馬支部の踏査報告書は支部のHPから入手できる。北原秀介支部長は「事故なく楽しんでもらうため、稜線トレイルに挑戦する際は今回の記録を参考にしてほしい」と話している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事