安中の越後屋食堂が全焼 「もつ煮」「肉トーフ」全国にファン
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炎を上げて燃える建物=4日午後2時50分ごろ、安中市松井田町横川
越後屋食堂の境谷進さん、一子さん夫妻=2017年3月撮影

 4日午後2時半ごろ、群馬県安中市松井田町横川の越後屋食堂=境谷進さん(87)経営=から出火、木造トタンぶき2階建て店舗約240平方メートルを全焼、隣接する物置約13平方メートルを半焼した。けが人はいなかった。食堂はレトロな雰囲気と、穏やかな境谷さん夫妻のもてなしが名物の人気店。自慢の「もつ煮」「肉トーフ」を目当てに、全国各地からファンが訪れた。周辺は瞬く間に真っ黒な煙に包まれ、付近は一時騒然とした。

◎「さみしい」「残念」 地元から惜しむ声

 群馬県警安中署などによると、出火当時、営業していたが客はいなかった。店内にいた境谷さんと妻の一子さん(84)は避難して無事だった。約3時間後に鎮火した。境谷さんが「油の入ったフライパンに火をかけたまま、その場を離れてしまった」と話しており、同署などが経緯を調べている。

 現場はJR横川駅から南へ約500メートルの国道18号沿いで、近くには碓氷峠鉄道文化むらがある。付近の道路は午後4時55分ごろまで通行止めになった。

 地元からは惜しむ声が上がる。近所の男性(33)は「生まれた頃からのなじみの店が焼けてしまった。さみしい」と肩を落とした。近くの70代男性は「若い人からお年寄りまで多くの人に人気がある店だったので残念」と話した。

 境谷さん夫妻は鎮火後、上毛新聞の取材に応じた。一子さんは「(火災で)お騒がせして申し訳ない。今は頭が整理できないが、ここまで店を続けてこられたのはお客さんのおかげ。感謝しかありません」と述べた。進さんは「応援してくれる人の声を聞き、もう一度店をやりたい気持ちはある。今後については家族と話し合う」と話した。

 同店は、進さんが郵便局を退職した55歳の時に店を買い取り、夫妻で切り盛りしてきた。3年ほど前までは定休日を設けず夜遅くまで営業し、地元の常連だけでなく、長距離トラックの運転手ら全国からファンが通った。

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