性別欄なくし、通称を認める 群馬大がLGBT対応ガイドライン
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◎県内初「多様な価値観 発信」

 群馬大はLGBTなど性的少数者の学生への対応に関するガイドラインをまとめ、本年度から運用を始めた。名簿や書類の性別欄をなくし、公式の文書に通称名の使用を認めるほか、相談態勢を充実。幅広い分野で具体的な対応策を示し、性的指向や性自認を理由とする差別や不利益をなくす。同様のガイドライン策定は全国の大学で広がるが、県内大学では初めて。

 名称は「群馬大学 性の多様性(LGBT/SOGI)に関する対応ガイドライン」。相談窓口、授業、トイレ、就職活動など13項目に分類し、それぞれに具体的な方針を示した。ガイドラインの骨子は新入生に配る2019年度の「学生便覧」に記載した。

 学籍簿や証明書、学位記などに自認する性に基づいた通称名が使えるようにしたほか、学生、教職員向けの名簿、書類は原則として性別欄をなくした。呼称は性別で使い分けず、統一することを全学生、教職員に推奨。誰でも利用できる多目的トイレなど、施設面の整備も図ることとした。

 相談用のメール「にじいろライン」を設けるなど、支援態勢を充実。内容に応じて各学部の教職員らのチームで対応する。関係者全員が守秘義務を負い、第三者が秘密を暴露する「アウティング」を防ぐ。

 ガイドライン策定に向け、同大は昨年1月、教育、医学、保健、憲法など各分野の専門家22人でつくるワーキンググループ(座長・窪田健二副学長)を発足させた。過去の相談事例についての実態調査を行い、当事者の学生の意見や他大学の例を参考にした。ガイドラインは必要に応じて見直す方針という。

 窪田副学長は「学生や教職員が多様な価値観や生き方を受け入れることができるキャンパスを目指す。多様性の考え方を大学から地域社会に発信したい」と話した。

 LGBTに詳しい共愛学園前橋国際大の前田由美子研究員は「画期的な取り組み」と評価。「社会課題の解決に大学の果たす役割は大きい。一人一人違う性的指向や性自認を尊重し合える環境づくりにつながる」と話している。

 筑波大や名古屋大、国際基督教大などもガイドラインを策定している。早稲田大は17年にLGBTの学生支援を行う「GS(ジェンダーアンドセクシュアリティー)センター」を設置するなど、全国の大学でLGBTを理解し、支援しようとする動きが広がっている。

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