武尊登山に発信機 遭難救助対策で全国初の義務化 川場スキー場
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 山岳遭難時の迅速な発見や救助に役立てるため、川場スキー場(群馬県川場村)は今月から、同スキー場から武尊山に入山する全ての登山者に対し、位置情報の把握につながる発信機サービス「ココヘリ」の利用を義務付けた。同サービスの義務化は全国初という。訪日外国人客(インバウンド)らに人気の高いゲレンデ外の新雪を滑る「バックカントリー」や、捜索の難しい冬春山の登山での遭難が目立つことから、利用客の安全対策を強化する。

 武尊山への登山は、同スキー場のリフトを使いゲレンデ上部に上ってから入山するコースの人気が高まっている。サービスに個人加入していない入山客には、同スキー場がココヘリ発信機を1台千円で貸し出す。

 このほか、同スキー場専用の登山届の提出を求め、提出に応じない入山者にはリフト券を販売しない。予定時間を過ぎても下山が確認できない場合はスキー場が、ココヘリサービスを提供するAUTHENTICJAPAN(福岡市)に連絡する。

 ココヘリは最長16キロ先に届く高精度発信機を利用して遭難者発見までの時間を短縮する仕組み。遭難者やスキー場から連絡を受けて提携の航空会社が捜索、遭難者の場所を特定して警察や消防に情報提供する。県警ヘリコプター「あかぎ」も専用受信機を昨年から導入しているため、すみやかな救助活動が期待できるという。

 同スキー場担当者は「リフト利用者には安全に帰ってもらいたい。遭難時の命の危険を最小限に抑えるため導入を決断した」と説明する。

 県内では他に丸沼高原スキー場(片品村)がココヘリ発信機のレンタルを行っている。担当者は「冬山は特にルートを外れやすいため、登山客には積極的に利用を促している。今後は義務化も検討されると思う」と話している。

 県警地域課によると、2018年に県内で発生した山岳遭難は132件で、遭難者は153人。また今年1~3月は遭難17件、遭難者21人だった。武尊山では18年の遭難は3件、遭難者は4人。今年1~3月は遭難2件、遭難者3人で、このうち1人が死亡した。

 ココヘリ 高精度発信機を利用した捜索ネットワークサービス。障害物による影響を受けにくく、衛星利用測位システム(GPS)が苦手とする山間部でも位置情報を捉えやすいとされる。

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