応援と感謝の旅行記 3月に全焼「もつ煮」の越後屋食堂に届く
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届いた本をうれしそうに見る境谷さん夫妻

 3月上旬の火災で焼失した群馬県安中市松井田町横川の「越後屋食堂」の経営者、境谷進さん(87)と妻の一子さん(84)に、常連客らから応援や感謝の言葉が寄せられている。埼玉県の70代の夫妻からは店に立ち寄ったエピソードなどを盛り込んだ旅行記が届き、2人は目を細めている。

◎再建検討も「高齢で厳しい」
 本を贈ったのは、さいたま市の池田充宏さん(75)、純子さん(72)夫妻。2人は2015年10月から16年12月にかけて、東京・日本橋から京都・三条大橋まで中山道500キロ以上を歩き、旅の記録を写真を交えて紹介する「中山道トコトコ歩き」(合同フォレスト刊)を出版した。

 道中に立ち寄ったのが越後屋食堂だった。たまたま定休日だったが、店内にいた境谷さん夫妻に声を掛けると、「肉トーフ」と「モツ煮」を作ってもらったというエピソードが記してある。

 食堂の火災をニュースで知った池田さんは、感謝の思いを込めて同書を贈った。本を受け取った進さんは「本当にびっくりした。優しいお客さんに出会い、本当に幸せ者だよ」と喜んだ。一子さんは「今でも応援し、支えてくれる人がいる。励みになる」と目を赤くした。火災の後、多くの人から再開を望む声や励ましの言葉が届いているという。

 2人は現在、自宅の庭で畑仕事に励むなど元気に暮らし、食堂の再建も検討する。進さんは「あの味を残したい気持ちはある。ただ、2人とも高齢で体力的に厳しい面もある」と話した。

 店はレトロな雰囲気と、穏やかな境谷さん夫妻のおもてなしが名物だった。看板メニューは「肉トーフ」と「モツ煮」。地元の常連だけではなく、長距離トラックの運転手ら全国からファンが集まった。

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