巧妙化するおれおれ詐欺 被害者の3割が家族と同居 県警まとめ
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 特殊詐欺のうち家族を装って現金をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害で、実際に子や孫と同居していながら被害に遭うケースが3割に上ることが11日までに、群馬県警のまとめで分かった。詐欺グループなどが被害者の個人情報を調べる「アポ電(アポイントメント電話)」で事前に家族が不在の時間帯を探るなど、手口が巧妙化していることが一因とみられる。県警は本年度、特殊詐欺対策統括官のポストを新設するなどして摘発を強化し、家庭向けの啓発にも力を入れる。

 県警特殊詐欺抑止対策室によると、2018年のおれおれ詐欺の被害件数は147件で、被害金額は2億3870万円、被害者の平均年齢は80歳だった。世帯別では1人暮らしが最多の47%(69件)だったが、子や孫ら家族との同居も29%(43件)に上り、夫婦2人暮らしの20%(30件)を上回った。家族と同居する高齢者も、被害に遭う危険が高い実態が明らかになった。

 伊勢崎市では昨年11月、妻と長男夫婦と暮らす80代の男性が、現金をだまし取られた。長男を装った男から、「大事な書類を間違った住所に送ってしまったため、200万円を用意してくれ」などとうその電話を受けた男性は、自宅近くで長男の代理人を名乗る男に現金200万円を手渡した。被害に気付いたのは、長男が帰宅した後だった。

 今年2月に東京都江東区で起きた強盗致死事件で広く知られるようになった「アポ電」は、親族や報道機関の世論調査などを装い、資産状況や家族構成を聞き出そうとする。家族との同居が分かっても、仕事などで不在となる時間帯を聞き出して狙う恐れもあり、県警は注意を呼び掛けている。

 詐欺被害を防ぐために、県警は在宅中も留守番電話に設定するなど、高齢者を不要な電話に出させない環境をつくることを勧める。その上で、日頃から家族間で(1)電話でお金の話をしないルールを決める(2)合言葉を決める(3)コミュニケーションを図る―ことが大切だと指摘。同室は「日頃から家族で会話をして絆を強め、詐欺被害を防いでほしい」としている。

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