故・新井淳一さん自宅全焼 創作した布 大半焼失 桐生
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
火災現場を調べる消防関係者ら=15日午前11時10分ごろ

 桐生市境野町で14日発生した火災で、群馬県警桐生署は15日、新井利子さん(86)方の木造平屋建て住宅約300平方メートルを全焼したほか、隣接する住宅や作業所など5棟の一部を延焼したと発表した。新井さんの夫で、2017年9月に亡くなった世界的なテキスタイル・プランナー、新井淳一さんが創作した布も大半が焼失、美術や繊維の関係者から惜しむ声が上がっている。

◎関係者「テキスタイル界に大きな打撃」
 利子さんによると、自宅には淳一さんが40年以上にわたって創作した1000枚以上の布などがあったという。「ご心配をお掛けした。夫の作品を悼んでくれる方がたくさんいてありがたい」とした。

 “桐生の宝”が失われ、桐生織物協同組合の牛膓章理事長は「非常に残念」と落胆。淳一さんの作品を所蔵する同市の大川美術館の田中淳館長は「テキスタイル界にも大きな打撃だ」とした。淳一さんと、版画家である利子さんの企画展を検討しているという。

 淳一さんは1932(昭和7)年、同市生まれ。金属の質感を生かした糸で織り上げるなどし、独自の生地を生み出した。デザイナーの山本寛斎氏、三宅一生氏らに布を提供し、海外コレクションへの進出を支援。2014年に文化庁長官表彰を受けた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事