高崎特産のウメ 5月の降ひょうで打撃 出荷量半減 卸値も下落
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表面が傷つき、加工用に出荷されたウメ
ひょう害を受けたウメを運び込むJAはぐくみ西部営農センターの職員ら

 5月4日に群馬県の西毛地域で降ったひょうにより、高崎市の特産品であるウメが大きな打撃を受けている。多くの実が落ちたり傷付いたりしたため、出荷量は例年から半減し、卸値も下落。被害は広範囲にわたり「ここ20~30年はなかった被害規模」と関係者は頭を抱える。事態を重く見たJAは出荷先の全国の市場などに購入を要請するチラシを配布し、農家への支援を呼び掛けている。

◎「令和」由来にちなんだ販売促進も中止
 ウメの品種「白加賀」の選果作業が始まった同月26日のJAはぐくみ西部営農センター(高崎市)。この日に職員が選別したのは約4トン。例年の3分の1ほどだ。他品種も含め、最終的に取扱量は前年比5割減の800トンにとどまる見通しという。

 群馬県や高崎市によると、降ひょうは同月4日午後2時半から約30分間にわたって発生。ウメの生産が盛んな榛名、箕郷両地区を中心に10~15ミリのひょうに見舞われた。栽培する約585ヘクタールのうち、被害は4割超の約258ヘクタールに及んだ。他の果物を含めると、市内の被害総額は7億7400万円に上る。

 卸値にも影響を与え、従来はサイズが大きいもので1キロ当たり500円、小さいもので100~200円で取引されているが、今年は約1~2割下落しているという。同JAの清水晋センター長は「小さい傷のものはできる限り出荷している。ただ、どうしても価格が落ちるので、多くの農家は減収するだろう。4月までは生育が順調だったのに…」と肩を落とした。

 降ひょうは、生産以外にも影を落としている。障害者が農場で働く県の「農福連携」事業の一環で、同市内のウメ農家2戸が障害者4~6人を受け入れる予定だったが、ひょう害を受けたことで急きょ中止となった。

 受け入れ予定だった榛名地区の佐藤健さん(41)は「収入が大幅に落ちるので(障害者への報酬を)拠出が困難になった。地域貢献のため時期をずらして改めて依頼したい」と話した。

 同JAは、「令和」が万葉集「梅花の歌三十二首」の序文から引用されたことから、新元号を絡めた販売促進を小売店に提案してきたが、被害を受けて中止。代わりに、出荷先の京浜や東北の市場に「心温かい支援のお気持ちでお買い求めください」と書かれたチラシを配布して購入を要請している。

 担当者は「表面が傷付いていても、味には全く問題がない。ぜひ購入して農家を支援してほしい」と呼び掛けている。

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