「安保法は違憲」 元長官の宮崎氏 前橋地裁で全国初の証人尋問
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証人尋問の後、記者会見する原告団
 

 集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法の成立で平和的生存権や人格権が侵害されたなどとして、群馬県民ら208人が国に1人10万円の損害賠償などを求めた民事訴訟の証人尋問が13日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であり、宮崎礼壹れいいち元内閣法制局長官が「安保法は長年の政府解釈や国会の議論に明白に反しており、違憲だ」と述べた。全国各地の同種訴訟で初の証人尋問。

 宮崎氏は第1次安倍内閣を含む2006~10年に長官を務めた。証人尋問では、安保法制が容認する集団的自衛権の行使が、他国間の武力紛争を前提にしていると説明。9条1項が禁じる、国際紛争を解決する手段としての武力行使に当たるとの認識を示し「明白に違憲。憲法9条の求めるものに反する」と強調した。

 東京新聞の半田滋・論説兼編集委員と憲法学者の志田陽子・武蔵野美術大教授も証言した。同種訴訟は前橋地裁を含む全国22の地裁・地裁支部で起こされ、うち1件は原告側が敗訴している。

◎「長年の政府解釈に反する」
 「安保法制は憲法9条に明白に違反していると言わざるを得ない」―。13日に前橋地裁で開かれた安保法制を巡る民事訴訟の証人尋問。憲法解釈を担う「憲法の番人」と呼ばれ、法制面の政府見解を説明する内閣法制局長官を務めた宮崎礼壹氏が証人として出廷、同法制の違憲性について力を込めて説明した。

 尋問で宮崎氏は、集団的自衛権の行使について「憲法上許されない」とする1972年の政府見解に触れ「長年、政府、国会でも違憲であるとの解釈をしてきた」と説明。集団的自衛権は自国への武力攻撃がないのに発動されるとして「国際紛争を解決する手段としての武力行使の放棄を定めた9条1項に明白に違反する」などと指摘した。

 さらに、政府が2014年に閣議決定した新基準「武力行使の新3要件」については「極めて曖昧で混乱を招く」と主張。弁護団からの「仮に部分的にでも行使できるようになるためには」との質問には、「憲法改正の手続きが必要」との認識を示した。

 宮崎氏に先立ち証言した憲法学者の志田陽子・武蔵野美術大教授は「(原告らは)将来、平和が保てないのではないかという焦燥感を持つなど、具体的な人格権の侵害が認められる」と指摘。東京新聞の半田滋・論説兼編集委員は「専守防衛の概念を逸脱しており、日本が戦争に巻き込まれる蓋然がいぜん性が高くなった」とした。

 東京地裁で宮崎氏らの証人申請が退けられたほか、札幌地裁では実施するかの判断を示されないまま弁論が終結し原告が敗訴するなど、証人尋問は実現していなかった。閉廷後、原告側の弁護団らは「極めて画期的で歴史的な証人尋問だった」「(安保法制の)違憲性が最大の争点だ」などと説明した。

 この日、前橋地裁には43席分の傍聴券を求めて140人が列を作った。

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