畜産で地元恩返し 元プロ投手の菊地さんが第二の人生
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勝五郎豚をPRする菊地さん

◎県産豚肉販社を設立

 元プロ野球投手が起業家として第二の人生を歩き出した。北海道日本ハムファイターズなどで活躍した群馬県高崎市出身の菊地和正さん(37)が同市で豚肉販売の会社を立ち上げた。市内の親戚の養豚場を手伝いながらブランド肉の販売に汗を流す。食が現役時代の体づくりを支えたことに着目、「県産豚肉の知名度向上に努めたい」と新たな道を切り開いている。

 菊地さんは樹徳高、上武大を卒業。同大初のプロ選手として、ドラフト6位で日本ハムに入団した。プロ5年目の2009年、速球を武器に中継ぎとして58試合に登板、リーグ3位の26ホールドポイントを挙げ、チームのパ・リーグ制覇に貢献した。その後、横浜DeNAベイスターズ、群馬ダイヤモンドペガサスでもプレーした。

 プロ引退後、母校の大学でコーチを務めた。ただ、「自分自身がプレーヤーとしてチャレンジしたい」との思いが強く、経営者としての道を選んだ。

 会社名は「S.G.R企画」。伯父の石曽根勝五郎さん(同市)が榛名山麓の養豚場で育てる「上州勝五郎豚」の販売を4月から手掛ける。大麦、ハーブ、唐辛子、昆布などを配合した飼料を使用。肉は軟らかくて、脂身の甘みが強いのが特徴だ。「これしかないとほれ込んだ」味は、選手時代の元同僚にもファンが多いという。

 畜産の知識はなかったため、身をもって知ることから始めようと、暇さえあれば養豚場に通う。作業を手伝ううちに、「食べることは生きること。その源を支える畜産業の素晴らしさを発信したい」と思うようになった。

 経営については分からないことばかりだが、県内企業や同級生の応援が支えになっている。食肉卸を手掛けるオルビス(同市)と代理店契約を結び、助言を受けながら飲食店や精肉店での取り扱いを増やしている。飲食店「高崎酒場」(同)で料理長を務める近藤峻平さんは高崎塚沢中時代の同級生。豚肉の酒かす漬けといった贈答品のアイデアを一緒に考えてくれるという。

 選手時代の人脈も生かすつもりだ。全国の元同僚が経営する飲食店との取引や、ファンを集めた養豚場体験も検討している。「自分だからこそできることを探し、群馬への恩返しをしたい」と意気込んでいる。

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