目指せ 21年の民間初ロケット打ち上げ IHIエアロ富岡が参画
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スペースワンが開発するロケットのイメージ図(同社提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが打ち上げた探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうの表面に2回目の着陸を成功させて沸く中、民間の宇宙開発が注目を集めている。群馬県内ではIHIエアロスペース(東京都)のメイン工場、富岡事業所(富岡市藤木)が、2021年にも人工衛星打ち上げ事業を開始する新会社のロケット開発・製造に携わっている。実業家の堀江貴文氏が創業したロケットベンチャーが23年に計画する打ち上げより早い目標で、国内民間初の成功に向けて期待が高まる。

◎民間参入続々 堀江貴文氏創業のベンチャーも
 新会社は、JAXAが手掛けるイプシロンロケットなどで経験豊富なIHIエアロスペースや、宇宙事業の拡大を図るキヤノン電子(埼玉県秩父市)などが出資して設立した「スペースワン」(東京都)。

 IHIエアロスペースはキヤノン電子と共に、JAXAが17、18年に打ち上げた世界最小の人工衛星軌道投入ロケット「SS-520」の4、5号機で、民間技術の活用を試験。スペースワンはこの実績を生かし、早期打ち上げを目指している。3月には和歌山県に発射場を建設することを発表した。

 スペースワンは20年代半ばに年間20機を打ち上げる計画。ロケットは3段式で、全長18メートル、重量23トン。発射場で扱いやすい固体燃料を用いることで、「契約から打ち上げまで世界最短と、打ち上げの世界最高頻度を目指す」(同社)という。

 同社の担当者はIHIエアロスペースの役割について、ロケット開発やシステム構築のノウハウを生かし「人材などの必要なリソース(資源)を供給する。(製造でも)強みを有する領域で貢献する」としている。

 国内の宇宙開発はこれまで国が主導してきた。近年、小型衛星が農作物の生育把握や漁場の探索、自動運転技術などに幅広く活用され、打ち上げ需要が増加。JAXAのH2のような大型ロケットはコストが高く、顧客の希望時での発射が難しいため、民間参入が求められている。

 米国では実業家のイーロン・マスク氏が率いるスペースX、ニュージーランドに発射場を持つロケットラボといった民間企業が、打ち上げ事業を軌道に乗せた。

 吉岡町の友好交流都市、北海道大樹町で堀江氏が創業したインターステラテクノロジズは、20~30代の若手を中心としたベンチャー企業。今年5月に打ち上げ、高度100キロの宇宙に達したロケットはその後海上に落下する弾道飛行で、衛星打ち上げ能力はない。同500キロを目指す衛星搭載ロケットの完成はこれからだ。

 《スペースワン》 IHIエアロスペースや昭和村に赤城事業所があるキヤノン電子、清水建設、日本政策投資銀行が出資し、2017年に資本金1億円で前身となる会社を設立。18年に14億円に増資し現社名に変更した。出資比率はキヤノン電子が50%で、他は非公表。元特許庁長官の太田信一郎氏が社長を務める。

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