日航機墜落事故からまもなく34年 次世代へ安全のバトンを継ぐ
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犠牲者の冥福を祈りシャボン玉を飛ばす参加者
犠牲者の名前が刻まれた石碑を磨く新入社員

◎遺族が「いのちの授業」…御巣鷹の尾根
 520人が犠牲となった日航機墜落事故を次世代に引き継ごうと、遺族らでつくる「いのちを織る会」は20日、事故現場の群馬県の「御巣鷹の尾根」(上野村楢原)などを見学する「いのちの授業」を開いた。犠牲者にゆかりのある人や小学生ら約70人が墓標や慰霊碑などを回り、命の大切さや安全への願いを胸に刻んだ。

 「8・12連絡会」の事務局長で次男の健君=当時(9)=を亡くした美谷島邦子さん(72)らが企画し、2016年から開催している。

 参加者はそろいのシャツを身に着け、尾根の登山道を歩いた。頂上付近の昇魂之碑や健君の墓標で手を合わせ、下山前には犠牲者の冥福を祈ってシャボン玉を飛ばした。

 健君と同じ東京都大田区立東調布第三小に通う椎名咲月さん(11)は「命の大切さをあらためて感じた」と振り返った。客室乗務員を目指している埼玉県の木野紀香さん(20)は「同世代には事故を知らない人も多い。安全についてしっかりと考えたい」と表情を引き締めた。

 村内の追悼慰霊施設「慰霊の園」にも立ち寄り、全員で黙とうをささげた。美谷島さんは「子どもたちに安全のバトンをつながなければと感じる。(日航機事故の経験から)安全文化をつくっていきたい」と話した。

◎「慰霊の園」清掃に汗…JALエンジニアリング
 日航機墜落事故から34年を迎えるのを前に、航空機の整備を担うJALエンジニアリング(東京都、北田裕一社長)の新入社員や有志らが事故の追悼慰霊施設「慰霊の園」(上野村楢原)を清掃し、安全を守る決意を新たにした。

 参加者約40人は、高さ約11メートルの慰霊塔や犠牲者の名前が刻まれた石碑をブラシやたわしで丁寧に磨き、周辺の草むしりなどにも汗を流した。

 4月に入社した鈴木美和さん(22)は「現場に来たことで本当に事故があったと実感できた。安全を考える意識を持ち続けたい」と話した。

 2011年から毎年行っている。一緒に作業した北田社長は「安全を守る責任を謙虚に振り返ることができる場所。新人からベテランまでじっくり考え、行動していきたい」と力を込めた。

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