「政治と芸術」議論を 「表現の不自由展」出品作家ら 懸念の声
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「表現の不自由展・その後」の会場に設置した白川さんの作品=7月24日、白川さん提供

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた問題は、同展に出品した作家ら群馬県の美術関係者にも波紋を呼び、表現活動の萎縮を懸念する声が広がっている。開幕からわずか3日で中止となった異例の事態を教訓に、「政治と芸術について広く議論する機会にしてほしい」との訴えもある。

 前橋市の美術家、白川昌生さん(71)は、朝鮮人労働者の追悼碑を模した作品を今回の企画展に出品していた。この作品は2017年、追悼碑と同じ敷地内にある県立近代美術館(高崎市)で展示予定だったが、公開直前に同館の要請で撤去された経緯がある。「政治性を帯びた作品は公的な展覧会にふさわしくない」との意見があるのに対し、白川さんは「公的な場だからこそやるべきだ。問題を知った上で批評してもらうことが大事」と強調する。

 邑楽町出身のアーティスト、小泉明郎さん(42)=横浜市=は皇室の写真パネルに着色した作品を出品した。6日に芸術祭の参加作家約70人が政治的介入や脅迫に抗議する声明を発表、白川さんと共に名前を連ねている。「人命に関わる事態になった以上、中止はやむを得なかったと思う。ただ、これで終わらせず、教訓にするため、議論する場が必要だ」と話した。

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