1925年製 独の高級ピアノ再び クラウドで修復費募る 北軽井沢ミュージックホール
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ピアノの状態を確認するホールサポーターズのメンバーら

 群馬県長野原町はふるさと納税型クラウドファンディングを活用し、北軽井沢ミュージックホールに半世紀にわたり受け継がれてきたとされるグランドピアノを修復する。ホールは音楽を学ぶ学生の合宿施設としての歴史があり、ピアノは十数年前まで実際に使われていた。関係者は「ホールとともに歩んできたピアノの音色をもう一度奏でたい」と復活に期待を寄せている。

 関係者によると、ピアノは1925年ドイツ製「グロトリアン・シュタインヴェーグ」。かつてホールの運営や管理を担った故田中泰雄さん、テルさん夫妻が寄贈した可能性があるが、書類が残っておらず正確な経緯は分かっていない。現在は別のグランドピアノが演奏に使われている。

 内外に残る無数の傷から酷使されてきた状況がうかがえるが、ホールの片隅でも存在感があるピアノに、音楽家から修復を望む声が上がっていた。こうした状況を受け、ホールの維持管理を担っている同ホールサポーターズ(神倉稔会長)も関わり、修復プロジェクトが始動した。

 北軽井沢に工房を構えるピアノ修復師の和田明子さんは「ドイツのピアノ製造の絶頂期に作られており、個性的で質が高い。修復すれば味わい深い音色を奏でることができる」と話す。

 作業は弦やチューニングピンを交換し、響板の割れの修復、ハンマーフェルト巻き替え、象牙の鍵盤磨きなどを経て半年程度で修復できる見込み。関係者は来夏に開くコンサートでのお披露目を目指している。神倉会長は「ピアノ修復を通じ、北軽井沢の音楽文化の魅力を発信したい」と話している。

 費用約150万円のうち、すでに寄付を受けた50万円を除く100万円をふるさと納税型クラウドファンディングで募る。1口3千~10万円で、募集期間は9月30日まで。寄付した額のうち2千円を超える部分は税額から控除される。申し込みはキャンプファイヤークラウドファンディングサイト(http://camp-fire.jp/projects/view/168983)へ。

 北軽井沢ミュージックホール 1968年、国内で初めて本格的な音楽を学ぶ学生の夏期合宿施設として開設。多くの音楽家が巣立った合宿所として学生や地域の人に親しまれてきた。世界的な指揮者の小沢征爾さんが理事長を務めていた83年、長野原町に寄贈された。

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