前橋製糸所 中小企業の原点発信 生糸普及に貢献
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藩営前橋製糸場(1878年撮影、宮内庁書陵部提供)

 2020年9月に創業150年を迎える藩営前橋製糸所について、前橋市は製糸技術の改良を重ねて全国に普及させた実績を、日本のものづくりを支える中小企業の原点として売り出す。東京農工大と協力し、当時の生糸の抱合装置の3D映像化と復元に取り組む。今年9月にはプレイベントとして最新の研究成果を報告。日本の近代化に貢献した「生糸のまち」をPRし、東京五輪・パラリンピックに向けた観光資源にしたい考えだ。

 富岡製糸場が世界遺産として知られるが、国の威信を懸けた同製糸場は生糸の抱合装置に大規模工場向きのフランス式を採用したため、資金力に劣る地方はまねできなかった。一方、前橋製糸所は、小規模工場に向いた「イタリア式」の装置を採用。全国から伝習生を受け入れ、器械製糸技術を普及させた。市は、中小企業のモデルとして日本の近代化に貢献した歴史的価値とストーリーを発信し、新たな観光資源にする。ただ、建物が残っていないため、市民にも忘れられた存在になっているのが課題だ。

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