御巣鷹の尾根 冬季閉山 今年の慰霊登山は1万2000人
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昇魂之碑の前で手を合わせる橋本さん夫妻

 520人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故現場、御巣鷹の尾根(群馬県上野村楢原)が15日に冬季閉山となるのを前に、遺族らが14日、冷たい雨の中、慰霊登山をした。仏教で「弔い上げ」を意味する三十三回忌に当たる今年、開山した4月29日以降、延べ1万2002人が尾根を目指した。尾根は来年4月28日まで立ち入り禁止となる。

◎ヘリ墜落事故訪れる「真相解明を」
 兄の栗原崇志さん=当時(33)=一家3人を亡くした橋本毅さん(63)=栃木県大田原市=はこの日、妻の仁枝さん(59)と尾根に足を運び兄一家の墓標に手を合わせた。慰霊登山の前に同村乙母おともで発生したヘリ墜落事故の現場を訪れたといい、「黒く焼けた橋の欄干を見てつらい気持ちになった。亡くなった人には悔しい思いがあると思う。真相解明してほしい」と話した。

 尾根管理人の黒沢完一さん(74)は熊よけの鐘やペットボトルを片付け、「冬の間、亡くなった人が寂しくないように」と昇魂之碑に続く階段に色とりどりの造花を飾った。

 節目に合わせ、今年は仏教関係者が慰霊行事に力を入れた。7月に遺体安置所になった光徳寺(藤岡市)で三十三回忌法要が行われたほか、曹洞、真言、浄土各宗の若手僧侶らが慰霊登山し、犠牲者の供養を引き継ぐ思いを新たにした。

 曹洞宗県宗務所の渡辺啓司所長は「三十三回忌が次世代に供養を引き継ぐ契機になった。若い僧侶には亡くなられた方、遺族、御巣鷹に携わってきた県民の思いを背負って尾根を登り続けてほしい」と話した。

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