流行シーズン目前に… インフルエンザワクチン足りず
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県衛生環境研究所が昨年度まとめた2014年からの県内のインフルエンザ患者報告数(1医療機関当たり)の推移。いずれも年明けからピークを迎えている(1月22日付より)

 インフルエンザの本格的な流行シーズン(1~3月)を前に、予防接種に使うワクチンが不足する事態が生じている。ワクチン株の決定が遅れ、今季の製造が例年よりも遅れているためだ。群馬県内の一部医療機関では入荷の見通しが立たず、予約を制限している所も出ている。厚生労働省は、年内には安定した供給量を見込めるとして、「流行前に必要量は確保できる。もう少し待ってほしい」と呼び掛けている。

◎厚労省「年内には安定した供給」
 「毎日予防接種の問い合わせが来るが、断らざるを得ない。まるでワクチン難民だ」。高崎市内の病院関係者は嘆く。製薬会社からのワクチンの入荷が例年に比べて遅れており、予防接種ができる見通しが立っていない。予約済み患者ら約130人が待機中で入荷次第、連絡するという。新規の予約を断っている吉岡町内の病院の担当者は「これまでにない事態で困っている。断るのは心苦しい」と話した。

 前橋市内の病院は11月中旬、およそ1カ月ぶりのワクチン入荷が決まった。高齢者施設の予防接種分に充てるというが、例年に比べて不足しており、外来患者の新規予約は現在も断っている。医師は「受験生や子どもを抱える親は心配している。早く潤沢に供給してほしい」と願う。

 ワクチン株の決定が遅れた今季は、メーカーの製造開始が延び、影響が全国に広がっている。東京保険医協会(東京)が10月17~27日にかけて内科と小児科などの都内の医師3510人に聞いた調査では、回答した744人のうち65%がワクチンが「足りない」と回答した。

 厚労省は9月中旬、本年度のワクチンの供給量は、全国で2528万本になると推計。昨年度の使用量よりも114万本少なく、13歳以上はワクチンの接種回数を原則1回とすることを求めた。6日に厚労省が発表した最新の供給見込みは2634万本。同省は製造遅れが影響し、「年内に出荷されても、医療機関に届くのは年明けになるケースもある」としている。

 事態を受け、県医師会は、各市町村で異なる65歳以上の予防接種費用に関する助成期間を延ばし、来年1月末まで実施してもらうよう促している。県保健予防課は「ワクチンは順次、医療機関に納入されている。複数の病院に問い合わせるなどして予定を確認し、落ち着いて順番を待ってほしい」と呼び掛けている。

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