《NEWSインサイド》外国人相談窓口 共生へ態勢整備進む
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 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が4月に施行され、外国人住民を対象にした相談窓口の設置が全国で進められている。群馬県内では県と伊勢崎、太田、大泉の3市町が国から運営費などの交付を受け、窓口を新設したり、対応言語の数を増やしたりした。支援態勢は整ってきたが、窓口の存在を知ってもらうには外国人住民と関わりのある民間の協力も鍵になりそうだ。

◎多言語対応
 相談窓口は、外国人が知りたい情報を一元的に提供する拠点で、政府は全国に100カ所程度を設置する方針を示している。都道府県と政令指定都市のほか、外国人住民が1万人以上、または5000人以上で全住民の2.0%以上を占める市町村を対象に交付金の申請を受け付けた。

 交付条件の一つが原則11言語以上で対応すること。それだけの通訳を配置するのは難しいため、翻訳機を導入するのが一般的だ。

 県内で最も多い1万2000人超の外国人が暮らす伊勢崎市。相談窓口の開設は1991年にさかのぼり、相談員が日本語に加え、英語、スペイン語、ポルトガル語、タガログ語の計5言語で対応してきた。

 交付条件を満たすため、市は74言語に対応できる音声翻訳機2台と、タブレット端末2台を4月に導入した。市内には60を超える国籍の住民がいるが、翻訳機の出番はまだ少ないという。相談員の田村真里留さん(61)は「英語や日本語で大体は通じる。分からない単語があるとき、翻訳機は役立つ」と話す。

 県は7月、「ぐんま外国人総合相談ワンストップセンター」を県庁昭和庁舎内に開設した。7人の相談員が英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語で対応し、その他の言語用に音声翻訳機を導入。同月末までの1カ月で70組が利用した。8月には弁護士、行政書士、社会保険労務士による外国人向けの専門相談会も開いた。

◎専門家が助言
 こうした窓口業務に当たる自治体を支援するため、出入国在留管理庁による職員の派遣も始まっている。東京出入国在留管理局が管轄する本県には7~8月、同局の担当官が県と3市町を訪れた。窓口の視察や担当者との意見交換のほか、実際に外国人からの相談に応じた場面もあった。同局は今後も要請に応じ、職員を派遣するという。

 県外国人活躍推進課は「在留資格に関する相談に専門的な立場で答えてもらったり、相談員にレクチャーしてもらえる」と歓迎。伊勢崎市の相談員の田村さんも「これまで電話で問い合わせていた。直接話せるのはありがたい」と喜ぶ。

 県内全体では現在6万人近い外国人住民がいる。県の窓口は3市町以外の自治体とも連携し、どこに住んでいても困らないような態勢を整えている。ただ、各自治体や国際交流協会、外国料理店、教会などで広報しているが、まだ浸透しているとはいえない。

 外国人の子どもの学習支援などに取り組むNPO法人Gコミュニティ代表理事の本堂晴生さん(73)=伊勢崎市=は「どこに相談したらいいか分からないという外国人が多いので、センターができたのは前進。一人でも多くの人が活用できるよう、民間としてもどんどん周知していきたい」と話している。

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