《ぐんま再発見》自然生かし魅力創出 榛名湖でオペラや自転車
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 美しい景観を楽しめる群馬県の観光名所、榛名湖(高崎市榛名湖町)周辺で近年、官民が新たな試みを始めている。地元関係者らが知恵を絞り、オペラ公演や大規模な自転車大会など年間を通じて多彩なイベントを実施。豊かな自然を生かしつつ、多方面から魅力を発信し、観光客の呼び込みを図っている。

■水上にステージ
 秋の訪れを感じさせる涼しさとなった7日夕の榛名湖。水上に設置された特設ステージから、迫力ある歌声が響いていた。開かれたのは国内初となる「湖上オペラ」。約500人が詰め掛け、雄大な景色を背景に、海外のホテルを舞台にした演目「白馬亭にて」を楽しんだ。

 湖周辺の自然の美しさを発信して地域活性化につなげようと、群馬オペラ協会長の角田和弘さん(58)が榛名地域の住民と協力して開催。今回は「プレ公演」との位置付けで、東京五輪が開催される来夏に本番の開催を目指す。角田さんは「訪日客が来県する絶好の機会を利用し、国内外に向けて榛名湖の魅力を伝えたい」と力を込める。

 榛名観光協会榛名湖支部などによると、1990年前後は年間120万人が訪れた。だが、近年は観光情報の氾濫や趣味の多様化を背景に人出は減少傾向にあり、ここ5年は100万人を割り込んでいる。

 小林信彦支部長は「既存の資源をPRするだけでなく、今後は新たな角度から榛名湖を売り出す必要がある」と指摘する。

■県外6割以上
 その一例として期待されているのが、毎年5月に開かれる国内最大規模の自転車競技大会「榛名山ヒルクライムin高崎」だ。自転車の人気の高まりを受けて、市や地元の商工会などでつくる実行委員会が2013年から開催している。

 7回目を迎えた今年は初回の1.5倍となる6550人が出走。このうち湖畔にゴール地点を置いた16キロのコースには6000人近くが参加し、当日は大勢の選手でにぎわった。出場者の6割以上を県外在住者が占めるこの大会では、下見を兼ねて滞在する選手も見られ、数日間にわたって多くの人を呼び込む機会となっている。

 実行委員長で、市榛名商工会の戸塚宣敏会長は「コースの試走に来たり、大会後に家族で観光に訪れたりする参加者もいる」と広がりを指摘し、「今後も周辺のさらなる活性化につなげていきたい」と意気込んでいる。(斎藤大希)

◎誘客拠点 市が整備
 榛名湖周辺では、高崎市が既存の民間施設や市有施設に手を加え、新たな誘客拠点として整備する方向で動いている。

 古くから多くの芸術家が湖畔で制作活動した歴史に着目し、来年度は食事処「湖畔亭」を改修して、アーティストの創作施設をオープンする方針。本年度一般会計9月補正予算案に改修費9500万円を計上した。市営宿泊施設「榛名湖温泉ゆうすげ」は一部を解体し、跡地にグラウンドゴルフ場を造る。コース利用を促すと同時に、榛名湖の魅力を再認識してもらう機会とする考えだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事