赤谷の森でシカ捕獲実験 カメラやわなの調達にオーナー制度導入
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好物の塩をなめに来たシカをセンサーカメラで撮影した画像=4月

 森林荒廃が問題視されているニホンジカの増加を防ぐため、日本自然保護協会(東京都)は10月5日、群馬県みなかみ町の国有林「赤谷の森」(約1万ヘクタール)で新たな捕獲実験を始める。シカの出現場所を把握し、効率的に捕獲するためのセンサーカメラとわなの調達にオーナー制度を導入した。頭数が少ない段階から個体数を管理する予防法を確立し、全国の森林での応用を目指す。

 協会は、国や地域住民と協力した団体「赤谷プロジェクト」の活動を通して、シカの個体数を適正管理する方法を探ってきた。2008年に始めたセンサーカメラによる観測で、出現地点は10年間で12.5倍に増えたことが判明している。

 「森への被害が深刻化する前段階で、少ない頭数を維持する『低密度管理』が重要」との認識で、増加前に捕獲する実験を17年に開始。猟銃や金属製「箱わな」などさまざまな捕獲法を検証し、装置の上を通過したシカの脚をワイヤで捕らえる「くくりわな」の効率が高いことが分かった。

 設備の強化に向けて資金を調達するため、協会はわなとセンサーカメラそれぞれのオーナー募集を企画した。オーナーからの寄付金を活用し、5地点に計13台のわなを設け、10台のセンサーカメラを置く。

 センサーカメラは動物が前を横切ると自動的に画像撮影を開始する。撮影範囲内にシカの好物である塩を置き、塩をなめに来た場面を撮影する。出現頭数を確認して、わなを設ける場所の参考にしたい考えだ。

 オーナーには毎月、カメラに写った動物の画像データをメール配信するほか、わなで捕まえたシカの革で作った小物入れやアクセサリーも提供する。

 捕獲実験は11月中旬までを予定。協会の松井宏宇ひろたかさんは「みなさんの応援を受け、シカ管理法の道筋をつけたい」と話している。

 赤谷の森は17年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域(エコパーク)に登録されたエリア内にあり、人と自然の共生を進めるモデル地域となっている。

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