渋沢栄一 アンドロイドとしてよみがえる 出身の深谷市が制作へ
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制作発表会に出席した(左から)石黒教授、鳥羽名誉会長、漱石アンドロイド、小島市長、三田社長   
渋沢栄一

 新一万円札の顔となり、富岡製糸場創設に携わって群馬県と縁が深い実業家、渋沢栄一の功績や考え方を広く知ってもらうため、出身地の埼玉県深谷市は3日、渋沢のアンドロイド(人間酷似型ロボット)を2体制作すると発表した。同市の渋沢栄一記念館と旧渋沢邸「中の家なかんち」にそれぞれ設置し、観光の目玉にする。渋沢の著書「論語と算盤そろばん」などについて“本人”が講義。来場者が渋沢をよりリアルに感じ、理解を深める機会を提供する。

◎寄付金1億円を財源に 記念館と旧家に
 2体のアンドロイドはいずれも等身大(身長153センチ)で制作する。記念館に設置する1体は、さまざまな場所で講演する70歳ごろの渋沢をイメージし、洋装で立ち姿。同館2階の和室を改装して講義室のような空間にし、2020年4月に公開する。もう1体は和装で、80歳ごろの渋沢がたびたび帰郷した中の家の座敷でくつろぐ姿を再現。展示場所の整備が終わる22年春の公開を予定している。

 アンドロイドは遠隔操作やプログラミングによって人間と同じように顔を動かしたり話したりすることができる。現存する渋沢の肉声の音源を参考に、内容を変えた10~15分程度の講義を数本用意する。記念館では実業家という「公」の側面、中の家では家庭人としての「私」の側面が伝わるような内容にする。

 同市役所で開いた制作発表会には小島進市長をはじめ、制作を発案した同市出身の鳥羽博道ドトールコーヒー名誉会長、アンドロイドを監修する大阪大大学院の石黒浩教授、アンドロイド制作会社「エーラボ」の三田武志社長が出席。石黒教授と同社が手掛けた夏目漱石のアンドロイドも“同席”した。

 小島市長は、24年発行の新一万円札に加え、21年のNHK大河ドラマの主人公に渋沢が決まったことに触れ、「これまでになく渋沢栄一翁への関心が高まっている。アンドロイドを通じて多くの人に栄一翁の生き方や精神を感じ取ってもらいたい」と期待を寄せた。

 漱石アンドロイドもあいさつし、「(渋沢が)アンドロイドとして復活されるのは誠に素晴らしい。お会いできることを心から楽しみにしている」などと語った。

 制作費は8250万円。鳥羽名誉会長からの寄付金1億円を財源にする。

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