県境の茶屋 励まし胸に営業再開 トラック事故から復活
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店は家族で切り盛りする。「自分もあと5年は頑張りたい」と話す上原さん(右)
大型トラックに突っ込まれた店舗

 大型トラックに突っ込まれ、5月末から休業していた下仁田町東野牧の飲食店「おかた茶屋」が営業を再開した。県境を行き交うドライバーや観光客は喜び、名物のもつ煮の復活にはツイッターなどでも祝福の声が上がる。店主の上原茂さん(85)は「皆さんの後押しがあってこそ」と感謝しながら、ハンドルを握る全ての人に安全運転を呼び掛ける。

◎「安全運転でお願い」

 5月27日の昼下がり、休憩で店内のいすに腰掛けたところだった。目の前の国道254号を走っていたトラックが縁石を乗り越え、店に突っ込んできた。舞い上がったほこりや粉々になったガラスから視線を移すと、2~3メートル先に車体があった。「音は覚えていない。ぼーっとしちゃった」と上原さん。店を手伝う長女がけがを負った。

 1980年ごろに営業を始め、現店舗になったのは89年だ。自家製のみそや下仁田ネギ、特産のこんにゃく、豚のもつを使ったもつ煮を目当てにファンがついた。長野県に至る内山峠の手前という場所柄、多くのドライバーや観光客が立ち寄る。

 事故で店は6本の柱が折れ、16枚のガラス戸が壊れた。店内はめちゃくちゃになった。それでも「これでおしまいは情けない。(東日本大震災で被災した)東北とか、大変な人はもっといる」と再開を目指した。

 多くの励ましが寄せられた。報道で知った千葉県柏市のバイク愛好家グループからは「一日も早い回復を。再開したらまたうかがいます」との手紙が届いた。地元住民の応援も大きかった。8月末には再開にこぎつけ、9月から本格的に営業している。

 トラックを運転していたのは当時77歳の男性だ。その後も全国で交通事故は後を絶たない。「事故が多いのにたまげるよ。運転手さんも疲れていたりするのかもしれないが、ぜひ安全運転でお願いしたい」と話している。

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