《NEWSインサイド》日本語指導の充実課題 外国人材に需要 国内進学増える ブラジル人学校
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 7月公表の人口動態調査で、外国人住民の増加が浮き彫りとなった東毛地域。外国人住民の大半を占めるブラジル人に学びの機会を提供しているのが、ブラジル人学校だ。

母国語で授業が行われ、日本の公立校になじめない子どもの受け皿となっている。卒業後は母国の大学に進学する生徒もいるが、近年は定住化に伴い、日本の大学や専門学校

などに進む割合が増加。外国人材の受け入れ拡大により、国内で活躍する場が広がることも想定される中、日本語指導の充実が今後の課題になっている。

■県内4校■
 県学事法制課によると、ブラジル人が学び、学校教育に類する教育を行う各種学校はともに太田市のエスコーラ・パラレロと、伯人学校イーエーエス(通称・ピタゴラス)

の2校。小学生から高校生に当たる年齢の子どもが通っており、両校とも私学教育振興費として年数百万円の助成を受ける。
 ブラジル教育省は、同様の年齢層が通うジェンテ・ミウダ(大泉町)、日伯学園(同)の2校を加えた県内4校について、卒業すれば「本国の高校の課程に相当する」と認

定。文科省も「高校相当」と判断し、日本の大学へ進学する道を開いている。
 パラレロの石井ジョアナ・ファスチイノ校長によると、同校卒業生の半数は就職する。進学する場合はブラジルと日本の大学が半々で、「以前に比べ日本志向が高まってい

る」状況だ。
 受け入れに前向きな大学も増えてきた。宇都宮大国際学部は、外国人生徒で日本語能力試験1級、英語のTOEIC450点以上なら小論文、面接で受験できる。早稲田大

なども同様の枠を設けている。

■夜間中学■
 日本での大学進学、就職を見据えた場合、日本語の習得は不可欠となる。ブラジル人学校での日本語授業は週2~7こま。学校ぐるみで日本語検定試験に取り組むところも

あるが、より充実した指導も必要になる。
 ただ、ブラジル人のコミュニティーではポルトガル語のみで生活でき、早い段階から日本語になじむ機会が少ない。個々の能力を高めようとしても、日本語を教える人材に

不足感が生じている。
 こうした状況の中で、多様な国籍や年齢の人が学ぶ夜間中学にも関心が集まる。外国籍生徒の日本語能力の向上につながるとみているからだ。県教委も9月の県議会で、県

内のニーズの把握や必要性の検討に乗り出す考えを表明した。
 日伯学園の井上みどり校長は「卒業した生徒にとっても学び直しの場となる」と期待。ピタゴラス校のジアニ・レアル・レイテ校長は「近隣に夜間中学が開校してくれれば

、とてもうれしい」としている。

 【メモ】総務省が7月に公表した人口動態調査(1月1日時点)によると、出生者数から死者数を引いた自然増減で、本県は外国人住民の増加率が0.84%と都道府県別で

1位だった。人口に占める外国人の割合は2.86%で、東京(4.01%)、愛知(3.35%)に次ぐ3位。ブラジルを筆頭にペルーやネパールなどの出身者が多い大泉町の外

国人住民は7623人で、外国人の住民数と自然増加数(92人増)がともに全国の町村部で最多だった。

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