《台風19号》収穫の秋 農家打撃 ハウス倒壊や断水追い打ち
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土砂崩れで倒壊したハウス。床にはシイタケが転がっていた=16日午後2時15分ごろ、上野村川和

 台風19号により、群馬県内の広範囲で農産物への被害が発生している。上野村のシイタケ栽培施設では土砂崩れでハウスが倒壊し、現在も続く断水が追い打ちをかける。土砂崩れや倒木により道路が寸断された嬬恋村では、シーズン終盤のキャベツ畑が打撃を受けた。

 上野村特産のシイタケを栽培するきのこセンター(同村川和)は、年間380トンのシイタケを生産する。土砂崩れにより、菌床を培養するハウスとシイタケを育てるハウス計26棟のうち、4棟が倒壊した。

 13日から続く断水により、毎日約2500個を作っていた菌床の生産を現在は停止。無事だった生育用のハウスでの栽培と出荷は続けているが、断水でキノコ栽培で重要な湿度を、適切に保てないハウスも出てきた。担当者は「これほどの被害は経験したことがない。少しでも早く復旧させたい」と話した。

 各地で道路が寸断されるなど被害が大きかった嬬恋村内では、シーズン終盤に差し掛かった日本一の夏秋キャベツ生産に影響が出る恐れがある。

 JA嬬恋によると、一部の畑でキャベツが雨で流されたほか、収穫が終わった畑の土が流れ出る被害を確認した。キャベツ出荷は今月中にほとんど終わる予定だったことから、被害額は比較的少ないとみられるが、道路の不通で近づけない畑もあり、調査は思うように進んでいない。キャベツ農家の男性は「泥をかぶったキャベツがあるかもしれない」と心配する。

 16日の東京都中央卸売市場大田市場では、本県産のキャベツが12日と比べ、最も販売量が多い価格帯で5割の値上がりとなった。

 JAたかさきによると、高崎市佐野地区の園芸農家で花の流失やハウスの破損があり、被害総額は400万~500万円。半年は出荷できない状態という。寺尾町の農家ではハウスが壊れてトウガンが全滅。下佐野町の農家は露地栽培のタマネギが被害を受け、出荷できなくなった。長野地区の農家はナスに傷が付き、低価格での出荷を余儀なくされている。

 これ以外にも県内平野部で露地栽培されていたネギやブロッコリー、ホウレンソウなどが冠水した報告があり、最終的な被害額が増大する可能性がある。

 県は月内には被害状況に関する調査を終え、被害額を確定したい考え。技術支援課は「国が今後打ち出す支援メニューについても注視していきたい」としている。

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