てんかん悪化の仕組み解明 群馬大研究グループ発表 新薬に期待
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てんかんのメカニズム

 突発的なけいれんを起こす病気のてんかんについて、群馬大大学院医学系研究科の柴崎貢志准教授らの研究グループは29日、病態が悪化する仕組みを解明したと発表した。発作が起こると脳が部分的に発熱して特定のタンパク質の働きが異常に活性化し、症状を悪化させていた。発熱部分を冷やすと発作が完全に治まることも判明。治療器具や治療薬の開発など「病気の進行を防ぐ新たな手法の確立につながる成果」としている。

◎ヒトへの臨床実験でも確認
 グループによると、てんかんは脳腫瘍や、頭部のけがなどで発症する。国内の患者は100万人と推計される。既存の治療薬では発作を完全に抑えることは難しいという。脳の原因部分を手術で切除する治療もあるが、運動機能に障害が出る恐れがある。

 グループは発作が起こる際のマウスの脳を詳しく分析した。その結果、発作時には脳の原因部分の温度が正常より1度ほど高くなることを突き止めた。さらに体温を感知する「TRPV4」と呼ばれるタンパク質が発熱により異常に活性化し、てんかんを引き起こす神経活動が強まって発作が悪化することも分かったという。

 マウスの実験で、脳を冷やす器具を作成し、発熱を抑えたところ、発作は完全に治まった。さらに臨床試験を行い、ヒトで同様の効果が得られることを確かめた。

 成果を踏まえ、グループは患者の脳に小型の冷却装置を埋め込み、発作を自動で検知して発熱を抑える治療法を研究している。今後5年程度をめどに実用化を目指している。

 研究では、TRPV4の働きを抑える薬をマウスに投与しても発作が治まることが分かった。副作用などの課題をクリアすれば、薬による効果的な治療の道も開けるとしている。

 研究成果は米科学誌「ラボラトリー・インベスティゲーション」(電子版)に掲載される。

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