高崎の「コム・ン」 パン作り世界一 フランス大会 日本勢初優勝
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トロフィーを手に「うれしいというより、ほっとした」と語る大沢さん(左)と久保田さん
流鏑馬を表現した飾りパン

 パン作りの技術や味を競う世界大会「第7回モンディアル・デュ・パン」(10月下旬、フランス)で、日本代表として出場した群馬県高崎市のパン店「コム・ン」の大沢秀一さん(33)、久保田遥さん(23)が優勝した。日本勢として初の快挙。2人は「多くの人の支えで、ここまで来ることができた」と顔をほころばせる。

◎伝統の流鏑馬を表現
 大会は練習場所や材料を国を挙げて支援するチームもあるほどで、「審査も厳しく、複数ある世界大会の中で最もレベルが高い大会」(業界関係者)という。2人一組で競い、競技時間は前日が1時間半、当日は8時間半の計10時間。パンの見た目や味、衛生面、チームの協調性、メニューの独自性などが審査対象となる。スポーツをテーマにした飾りパンで2人は流鏑馬やぶさめを表現。優勝に加え、六つある部門賞のうち三つを獲得した。

 大沢さんは2年前の前回大会に日本代表のサポートメンバーとして出場、2位になった。「今回こそ世界一に」との思いは強く、昨年2月、同市緑町の喫茶店の敷地内に「練習場所」として店を開いた。アシスタントの久保田さんと一緒に、大会を見据えたパン作りを進めてきた。

 多くの人に支えられた。世界一への挑戦は口コミで広まり、夏にはスポーツドリンクやアイスを差し入れる客もいた。メニュー開発に頭を悩ませ、客との会話がヒントになることもあった。大会当日も約60人の応援団が駆け付け、背中を押した。

 プレッシャーは大きく、体力的にもきつかったという。大会前の2カ月間は毎日、閉店後に8時間の練習を重ねた。練習して仕込みをし、翌朝からパンを販売。夕方に帰宅し、数時間後にまた店に。そんな日々を繰り返した。「やれることはやりきった」。大会で最後のパンを作り終えた時、自然と涙があふれ出ていた。

 アシスタントの部門賞を受けた久保田さんは「この賞が欲しかった」と満面の笑み。「大会直前は毎日泣いていた。でも、苦しい日々の中で自信が付いた」と振り返った。

 コム・ンは年内で閉店し、今後は別の場所でパン店を開くつもりだ。「応援のお礼も兼ねて、お客さんとの触れ合いを大事にしたい」と大沢さん。「結果を出したことで、みんなの目標にならなくてはいけない。ゴールではなく、新しい道に行く切符をもらっただけ」。その目は次のステージを見据えている。

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