前橋市で5G活用考える協議会 医療、交通、教育で検討進める
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 高速大容量通信が可能になる第5世代(5G)の移動通信システムの効果的な活用方法を探るため、前橋市は26日、企業や大学などで構成する「5G利活用検討協議会」を立ち上げる。企業などが範囲を限定して独自の電波を利用できる制度「ローカル5G」の活用を視野に、救急搬送時の患者情報の共有や、市内にある大学間の遠隔授業などの実現を目指す。

◎救急時の情報共有大学間で遠隔授業
 協議会は、一般社団法人「ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構」(同市大友町)と市が事務局となり、市消防局のほか、群馬大、共愛学園前橋国際大といった市内大学などで構成。今後、医師会や拠点病院にも参加を呼び掛ける。

 主要な検討テーマは、救急搬送患者の情報を関係機関が共有する「救急搬送の高度化」、地域交通の利便性を高める「スマートモビリティー」、遠隔授業などを通して質の高い教育を提供する「スマートキャンパス」の三つ。

 救急搬送の高度化は、市が中心となり、救急車とドクターカー、病院、かかりつけ医の4者による患者情報の同時共有の実証実験に着手している。高速通信を通して、救急車内で撮影した患者の動画や検査結果を共有し、医師が救急隊員に指示を出したり、受け入れ先の病院の準備を促したりする。協議会では実用化に向けた議論を進め、円滑な救急搬送や治療につなげるための仕組みを構築する。

 スマートモビリティーは、群馬大次世代モビリティ社会実装研究センターと開発している自動運転バスの活用や、自家用車以外の多様な交通サービスを需要に応じて円滑に利用できるようにする「前橋版Maas(モビリティー・アズ・ア・サービス)」の取り組みなどが柱になる。

 スマートキャンパスは、市内にある国公私立の大学間でリアルタイムの遠隔授業の実現を目指す。音楽や芸術、医療など専門性の高い授業を別の大学の教室でも聴講できるように高速通信の環境を整える。単位互換制度の導入検討にも弾みをつけたい考えだ。

 今後、テーマごとに月1回程度の会議を開催し、年度内には活用の方向性をまとめたビジョン案を作成する予定。

 市情報政策課は5Gを活用してさまざまな地域課題の解決を目指しており、「総務省が来年度予定するローカル5Gの活用促進に向けた補助事業にも積極的に申請していきたい」としている。

 第5世代(5G)移動通信システム 携帯電話などに使われる通信方式の新規格。現行の第4世代(4G)と比べて通信の速度や容量が大幅に向上する。携帯の個人利用に加え、あらゆる機器を通信でつなぐ「モノのインターネット(IoT)」など幅広い産業分野での活用が期待されている。日本では2020年から携帯各社が順次本格導入する見込み。携帯大手に割り当てる電波とは別枠で、企業や自治体が敷地内などに範囲を限定して独自の電波を利用することを認める制度「ローカル5G」もある。

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