「旅するチョウ」アサギマダラ 北海道から渋川 飛来を初確認
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赤城自然園で再捕獲されたアサギマダラ。羽の印から北海道から飛来したと分かった

 数千キロを移動する渡りチョウ「アサギマダラ」の調査をしている渋川市の赤城自然園が今秋、北海道からの個体の飛来を初めて確認した。20年以上調査を続け、これまでに確認していた北限は山形県だった。同園のスタッフは「長年調査しているが驚いた。生態を知る手掛かりになる。地球環境の変化も影響しているのではないか」と関心を寄せている。

◎8月にきじひき高原で放した個体
 同園の松本幸雄さん(72)が10月6日、園内で1匹を捕獲したところ、羽に「ハコダテ TY-15」の印があった。調査では捕獲した人の名前を記すこともあるため、初めは「ハコダテさんがマーキングしたものだと思った」という。

 同僚の内田洋子さん(63)と調べるうちに、北海道北斗市のきじひき高原で8月18日にマーキングされた個体と判明した。これまで山形県の蔵王山からの飛来が最北だったため、2人は「びっくりした。まさかと思った」と振り返る。

 同高原でマーキングしたのは「道南虫の会」の山下寿春さん(23)。同会の対馬誠さん(62)によると、会は20年ほど前から移動調査をしており、これまでに2200匹を放しているが再捕獲の報告は8例のみで、群馬からの報告は今回が初めてという。対馬さんは「移動ルートをたどる上で貴重な情報」と話す。

 松本さんと内田さんは「初めて北海道で活動をしている人たちとつながった。新しいネットワークで情報交換していきたい」と喜ぶ。一方で、過去にない地域からの飛来確認に「気候変動など地球環境の変化も感じる」と話す。園内では他の昆虫でも生息範囲などに変化が見られるといい、「生き物を通して身近な環境に目を向けてほしい」と呼び掛けている。

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