優れた指導力 気品ある人柄 中曽根元首相訃報に県民から悼む声
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内閣総理大臣に就任し、初めてお国入りした中曽根康弘氏。大勢の県民が出迎えた=1983年、県庁

 中曽根康弘元首相が死去した29日、訃報に触れた群馬県民には驚きや落胆が広がった。外交・安全保障や行政改革をはじめとする実績やリーダーシップを振り返ったり、地元で見せた穏やかな人柄をしのんだりする声が漏れた。高齢になってもなお精力的に活躍する姿に勇気づけられたという人も多い。

■人材育成を評価
 館林市の毛塚茂平治さん(72)は「いつまでも若々しく、突然の訃報に驚いた。中曽根さんほどのリーダーシップを発揮する政治家はなかなかいない」としのんだ。藤岡市の村田茂行さん(67)は「中曽根さんの白寿の祝賀会で会った際、立派な立ち振る舞いで、こちらが元気をもらった」と振り返り、渋川市の松岡久枝さん(70)は「昭和時代の首相の中でご存命だった最後の方と知り、歴史の節目を感じる」と話した。

 政治手腕を評価する声は強い。前橋市の村田博さん(71)は「国のためだけでなく、郷土のために頑張ってくれた政治家。故・福田赳夫氏らとの権力闘争も、当時を見ていた人間からすると懐かしい」。高崎市の武井謙司さん(68)は「首相の在任期間が長かったのも国民から支持されたからだろう。米国との外交でもしっかりビジョンを持たれていた」と述べた。

 高崎市の吉田佐夜子さん(73)は「国鉄の民営化は素晴らしい功績。青雲塾で人材育成にも力を入れておられた」と評価。高崎市の佐藤素月さん(69)は「リーダーシップに優れ、国政や県政を引っ張ってくださったことに大変感謝している」、みどり市の和田真由美さん(48)は「最近は中曽根氏のような器の大きな議員が少ない気がする」と話した。

■細やかな配慮
 穏やかで気品ある人柄を思い返す人も多い。

 高校生を首相官邸に招いた座談会で面会したという俳人、山田耕司さん(52)=桐生市=は「高校生だからといって上から目線にならず、熱心に話を聞いて答えてくれた」。中曽根氏の俳句好きにも触れ「ご自身の感情や立場を短い言葉で表現できる方だ」とした。

 大泉町の井野悦子さん(63)は「(中曽根氏と)面識があった義父から、はっきりものを言う人だとよく聞いていた」という。

 中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」館長、山口通喜さん(63)=中之条町=は地元の旧群馬3区で街頭演説する中曽根氏を見かけたという。「初当選後に父が手紙を送った際、丁寧な筆で返事が届いた。細やかな配慮のある方だった」と惜しんだ。富岡市の小安さゆりさん(58)は「幼稚園児の頃、地域を練り歩いていた中曽根さんに握手してもらった。格好が良かったと母たちと話したと記憶している」と話した。

 伊勢崎市の木村みゆ紀さん(59)は「周囲に支持する人も多く、身近な政治家だった」とし、昭和村の加藤夏美さん(31)は「日本を代表する首相で県民の誇り。首相時代はまだ生まれていなかったけど、親しみを持っていた」と悼んだ。

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