視覚障害者との共生社会 実現を 県立盲学校元教諭が法人設立
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
障害の有無に関係なく一緒にフロアバレーボールを楽しむ人たち

 視覚障害者との共生社会実現を目指そうと、群馬県立盲学校の元教諭ら関係者が、一般社団法人群馬ライトスクール(前橋市)を立ち上げた。卒業後は外出の機会が減り、自宅にこもりがちになることも少なくないという。スポーツや文化活動を通じた健常者との交流をはじめ、視覚障害児が活用しやすい教材の開発、就労支援などに取り組み、視覚障害者の活躍の場を広げていきたい考えだ。

◎卒業後は外出機会減 共生社会モデルづくりへ
 「もっと右、右」「そこでいいよ」―。週末の県立盲学校の体育館に元気な声が響く。同校の卒業生や職員、学生ボランティアら約20人が、視覚障害者と健常者が一緒にプレーできるフロアバレーボールを楽しんでいた。

 群馬ライトスクールは同校卒業生の居場所づくりにつなげたいと、代表を務める元同校教諭の小針智雄さんらが中心となって2018年に任意団体として設立。フロアバレーボールのほか楽器演奏などの余暇活動支援を行ってきたが、活動の幅を広げようと昨年9月に法人化した。

 設立の背景には、視覚障害者への支援が不十分な状況がある。全国的にも視覚障害者に特化したグループホームは少なく、盲学校の授業で活用しやすい教材は手に入りにくいのが現状。移動支援が行き届かないために卒業後は外出の機会が減り、社会的に孤立する場合もあるという。

 スタッフとしても活動する卒業生の根岸拓也さんは「仕事を始めてから運動する機会がなかったので、またフロアバレーボールができてうれしい」と喜ぶ。県視覚障害者福祉協会理事の浦野清さんは「卒業後も活動できる場があるのは素晴らしい」と法人の取り組みを歓迎する。学生ボランティアで群馬医療福祉大1年の手島貴樹さんは「視覚障害のある人から学ぶことも多い」と話した。

 10月には全盲の空手家、小暮愛子さんが「心眼」をテーマに講演し、障害の有無にかかわらず参加者から好評だったという。

 今後は触って学べる教材の開発や販売、盲学校卒業生の就労支援などに力を入れていく予定。小針さんは「視覚障害の方々とともに共生社会モデルを築いていきたい」と話した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事