百人一首競技かるた 安中出身の名人・粂原さんが初の防衛戦挑む
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
競技かるた名人位の初防衛戦に挑む粂原さん

 小倉百人一首競技かるたの日本一を決める第66期名人位決定戦が11日、かるたの聖地、大津市の近江神宮で開かれる。昨年、第65期の栄冠に輝いた群馬県安中市出身の自営業、粂原くめはら圭太郎さん(28)=京都市=が初の防衛戦に臨む。「今から試合が楽しみで仕方ない」と自信をのぞかせる。

◎群馬県出身者で初の名人 上毛かるたで培った瞬発力武器に
 粂原さんは昨年、2度目の名人位挑戦で、3連覇中だった川崎文義さん(31)=福井県越前市=と再戦。5番勝負の最終戦までもつれた接戦を制し、群馬県出身者として初の名人位をつかんだ。

 武器は瞬発力だ。幼少時に熱中した上毛かるたで培い、読み手の発する最初の音に鋭く反応する。型にとらわれない自由なかるたを信条とし、独特の札の配置や送り札で相手にプレッシャーをかけ、思い通りに取らせない戦術も駆使する。

 昨年はこれまであまり出場しなかった大会に精力的に参加、全国各地に赴いた。「名人の自分が大会に出ることで、競技かるたを盛り上げたい」という思いからだという。大会では強さを発揮し、いくつもの優勝を飾る一方、敗戦も経験した。「負けた理由は必ずある。それを学べたことは大きい」とさらなる成長に余念がない。

 迎える挑戦者は2013~15年の名人だった岸田諭さん(32)=京都市。粂原さんとは過去に名人戦の挑戦者を決める予選となる西日本代表決定戦の決勝で2度対戦。昨年の名人戦の際は直前まで練習相手を引き受けてもらうなど親交も深い。

 岸田さんのかるたについて「相手に応じたかるたを得意とし、自分と共通する部分が多い」とみる。「展開は始まってみないと分からないが、互いの地力が出る試合になる」と予想する。

 名人として臨む初めての決戦。重圧がかかるが、前向きに受け止めている。「今年の名人戦は楽しみな気持ちが強い。今よりさらに成長できる一日になるはずだから」と笑顔を見せた。


◎県内でも人気高まる
 かるた競技者の多くが「かるた会」と呼ばれる各地の団体に所属して腕を磨き、大会に出場する。県内には前橋、高崎、新田、群馬大学の四つのかるた会がある。協力団体として県高校文化連盟小倉百人一首かるた専門部があり、高校生は学校の部活動に参加する。

 群馬県は郷土に根付く上毛かるたの人気が高く、競技かるたは主流ではなかった。ただ近年、競技かるたをテーマにした漫画「ちはやふる」の影響でその魅力が広く知られるようになり、県内でも競技人口が増えているという。昨年4月の県高校かるた大会には過去最多の250人が出場。7月の全国高校選手権の個人戦では農大二高の斎藤玄志さん(18)が準優勝した。

 各かるた会も幅広い年代で会員を増やしている。前橋かるた会はかつて粂原さんも所属した初心者向けの教室「つばさクラブ」を設け、門戸を広げる。

 群馬県から名人が誕生したことについて、県かるた協会の高橋茂信会長(75)は「かるたをする人にとって名人が身近な存在になり、刺激になっている」と話す。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事