新型肺炎の影響懸念 観光地や集客施設 キャンセルや衛生の徹底
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中国語表記の使い方ガイドを付け新設したアルコール消毒剤=高崎オーパ

 新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を防ぐため中国政府が海外への団体旅行を禁止した27日、群馬県内の温泉地やスキー場には中国人観光客からキャンセルの連絡が相次ぐなど影響が広がった。集客施設は消毒液の設置場所を増やすなど対応に追われる。例年なら春節(旧正月)に伴う大型連休で多くの中国人観光客が来日する時季。旅行の自粛ムードなど、今後の消費者心理の落ち込みを懸念する声も目立った。

 「団体旅行のキャンセルの連絡が今日入った。現地に行ってPRするなど誘客に力を入れていただけに残念だ」。2月中旬に予定していた10人程度の団体ツアーが中止となり、北毛地域のスキー場の担当者は肩を落とした。今回はやむを得ない事情のためキャンセル料は取らなかったといい、「事態が落ち着くまで待つしかない」と早期の収束を願った。

 「個人旅行の中国人観光客のキャンセルが数十件出ている」。草津温泉の宿泊施設では最近まで影響はほとんどなかったが、25日ごろからキャンセルが出始めたという。担当者は全体に占める中国人客の割合は小さく、影響は限定的と説明する。ただ、衛生管理の徹底が今後の予約を左右する可能性があるとみて「アルコール消毒液の設置を増やしたり、テーブルを拭く回数を増やしたい」と対策を急ぐ。

 県内主要温泉地の観光協会などによると、大型の温泉旅館では中国人団体客の予約が元々少なく、目立った混乱はないという。ある協会の担当者は「日本人の客が警戒し、『中国人客がいるか』と問い合わせが来るようになった」と自粛ムード拡大を懸念した。

 富岡製糸場でも27日、中国からの団体客1件がキャンセルとなった。県内に3拠点を設ける旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は上海ディズニーランドなど閉鎖になった観光施設を巡るツアーを取りやめ、中国行きのツアーのキャンセル料も無料にしている。広報担当者は「正確な情報を把握し、お客さまに伝えたい」とした。

 JR高崎駅西口の大型商業施設、高崎オーパは25日から同駅改札につながる入り口にアルコール消毒液を設置し、中国語版の使い方の案内表示も用意した。担当者は「中国人客はほとんど見掛けないが、万全を期したい」と衛生管理を徹底する考えを示した。

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