子どもの死 全事例分析 新年度に県 試験導入 専門職 予防策提言
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 子どもの全死亡事例の情報を関係機関が連携して収集、検証する「チャイルド・デス・レビュー」(CDR)について、群馬県が新年度、試験的に導入する方向で準備していることが分かった。厚生労働省が始めるモデル事業に加わる見通し。死亡事例の中には対策の不備による事故や虐待などに起因していても、背景の検証が行われないケースも多いとみられ、情報を集約して多角的に対策を検討する仕組みをつくることで、予防可能な事例の未然防止につなげる。

◎国のモデル事業参画 全国先駆けに
 群馬県でのCDRは、18歳未満の死亡事例の情報を医療機関などから集め、医療や行政、警察といった専門職でつくる委員会が、既往歴や家庭環境、死に至る経緯などをさまざまな視点から分析する。見過ごされてきた問題点を浮き彫りにし、必要な予防策を検討して県に提言する見通し。

 国の人口動態統計によると、県内で死亡する20歳未満は年間70人前後で推移している。虐待による明らかな死亡事例や、学校内での事故死などは報告、検証の対象となるものの、死亡事例を一元的に収集する仕組みはこれまでなかった。

 CDRは欧米で制度化され、日本でも昨年12月に施行された成育医療等基本法や、今年4月に施行される死因究明推進基本法に推進方針が盛り込まれている。厚労省は新年度、五つ程度の都道府県でモデル事業を行うとしており、結果を踏まえ、全国での制度化に向けた検討を進める。

 成育医療等基本法は自治体にも、子どもの死亡原因に関する情報の収集、活用などについて体制の整備を定めている。県は「子どもの命を守る取り組みは重要」として、モデル事業への参加に向け調整を進めている。参加が正式決定すれば、全国に先駆けた取り組みになる。事業費は全額、厚労省の負担となる。

 厚労省は2022年度の制度化を目指している。

 CDRの研究に当たる前橋赤十字病院(前橋市)の溝口史剛医師は「同じような背景がある子どもの死をどうすれば防げるか検討し、施策を実現していくことが求められる」と制度化の重要性を指摘している。

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