東京五輪 樹木付き可搬式ベンチで涼を 群馬大や県森連が開発
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群馬大などが開発した緑化ベンチ。中央が車いすに対応した商品

 今年の東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として、群馬大の研究チームや群馬県森林組合連合会などが開発を進めていた「可搬式緑化ベンチ」が完成した。鉢植えの樹木と座席が一体化し木陰で涼めるベンチで、運搬できるため、イベント期間中のみの短期利用も可能だ。固定的な維持コストがかからない商品として、東京都をはじめ自治体や企業に提案し普及を目指す。

◎2014年から研究 バリアフリーにも対応
 緑化ベンチは、高さ4~5メートルほどの樹木の鉢植えを取り囲むように木製の座席を配置したデザイン。直射日光を避け、木陰で休息できる。運搬可能で設置や撤収が容易なため、植栽工事が不要となり維持管理経費を節減できるのが強みだ。

 人工の霧(ミスト)を発生させる装置を取り付けることもでき、木陰との相乗効果によって体感温度を下げる。パラリンピックの参加者や見学者の利用も想定し、車いすに対応した商品も用意した。

 座席の大小やバリアフリー対応型といった3種類のベンチを商品化した。価格は税込み118万8000円~で、樹木やミスト発生装置、設置諸費用などは別に必要となる。同連合会が受注を請け負う。

 群馬大大学院理工学府の天谷賢児教授の研究チームや同連合会、東京都農林総合研究センターなどが連携し、2014年から五輪に向けた緑化ベンチの実証実験を重ね、機能やデザインを改良してきた。昨夏には同センター敷地内に9台のベンチを持ち込み検証した。ミストの噴霧などにより、利用者の体温変化や皮膚の表面温度を下げる効果が確認できた。

 開発には県せきずい損傷者協会も協力した。車いす利用者から「まひしている部分が暑さを感じにくく発汗による体温調整が難しい」という声があったため、ミストの粒を大きくしたり、噴霧範囲を広げたりするなどの調整もした。

 同連合会によると3月には東京都の自治体が3台の導入を決めている。利便性の高さから、県内企業からの引き合いもあるという。

 五輪を目標に開発した商品だが、夏の暑さは今後も続くことから、天谷教授は「五輪をきっかけにベンチの性能と実用性が認められれば、全国各地の企業や自治体への導入が進むだろう」と期待を寄せている。

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