基準なく主催者困惑 判断難しい、状況見極める、中止も… 新型肺炎
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除菌スプレー噴霧など対策を始めたタクシー運転手=21日、高崎市江木町

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、厚生労働省がイベント開催に関し、一律の自粛要請を行わない一方で開催の必要性を改めて検討するよう求めた文書を公表したことに対し、県内の自治体や団体には戸惑いや不安が広がっている。感染の恐れから中止を決めたイベントがある一方、換気や消毒、マスク着用などを徹底することで予定通り実施に踏み切る例も多い。観光への影響も懸念され、関係者は「判断が難しい」と頭を悩ませている。

 渋川市は21日、新型コロナウイルス感染症対応対策会議を開き、市が主催する行事などの開催可否の判断基準を定めた。①不特定多数が参加し、市民の安全に影響を及ぼす懸念がある②高齢者や持病がある人の参加者が多い―など5項目に当てはまる行事を原則中止とする。今後、感染が拡大した場合は基準を見直す。

 館林市は同日の対策会議で、開催の可否は担当課が判断するとした。ただ、出席者から「担当課だけでは判断が難しい」「基準がほしい」などの声が上がったため、統一の基準などを今後検討する。太田市は市主催イベントの開催の可否を所管部署の判断とし、統一基準を設けていない。担当者は「イベントは地域の活力。“正しく恐れる”ことに尽きるのではないか」と難しさをにじませる。

 観光や経済への影響を懸念する声も強い。多くの催しが開かれるみかぼみらい館(藤岡市)の原善孝館長は年度末や年度初めは大きなイベントが予定されているとし「事前支払いの施設利用料やチケット代金の返金など対応が難しい。行政や近隣施設と連絡を取り、方針を決めたい」とした。

 3月末に表彰式を開催する東吾妻町は「予定通り開催する方向だが、情報収集をして状況を見極めたい」とする。大泉町も3月末までのイベントの規模や参加者数などの把握に努め、「あくまで主催者側の判断だが厚労省の方針に従い、イベントの延期、中止もお願いしていく」とした。

 中止の判断も相次ぐ。県は23日に県庁で開催予定だった森林ボランティア交流会の中止を決定。前橋市で活動する市民団体などを紹介する「Mサポふれあい祭り」の実行委員会も22日にケービックス元気21まえばしで開く予定だった同イベントの中止を決めた。

 渋川市は22日に市子持社会体育館で予定した市小学生なわとび大会を、富岡商工会議所青年部も23日に富岡市で開く予定だった「第6回ランバイクとみおかYEGカップ」を中止する。

 高崎市を中心にタクシーを運行する上信ハイヤー(同市江木町)は21日、各車両の感染対策を始めた。除菌スプレーを設置し、換気などこまめな対応を徹底させる。他県ではタクシー運転手の感染例もあり「利用客とともに乗務員の不安も払拭(ふっしょく)したい」とする。

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